議会報告

  • 2024年06月03日
    本会議

    法令に根拠はない!!憲法13条に違反する自衛隊への個人情報の提供やめよ!

     5月29日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団を代表して赤田かつのり議員が一般質問に登壇しました。


    質疑項目
    1.自衛隊への個人情報の提供について
    2.垂水区の市営住宅と医療体制について
    3.障がい者への公的支援の充実について

     神戸市は2021年度から市内の住民基本台帳に登録された個人情報をもとに18歳と22歳の市民の住所・氏名・性別・生年月日(住基4情報)を電子データで本人の同意も告知もなく自衛隊兵庫地方協力本部に提供をしています。個人情報の提供について、これまで神戸市は、自衛隊法97条と自衛隊法施行令120条を法的根拠として「違法ではない、適切な対応だ」と主張してきました。しかし、これらの法律には根拠はありません。プライバシー権を保障した憲法13条に違反する行為です。赤田議員は、自衛隊側から依頼してくるままに、個人情報を提供することは中止するべきと質しました。

    答弁ダイジェスト
     赤田議員:自衛隊法施行令の趣旨に個人情報の提供を求める内容はない。また国会でも「自治体の義務ではない」と防衛相が答弁している。依頼なら断る権利があるのではないのか。情報を提供することは人権を侵害する行為だ。神戸市は13条を守る立場なのか。
     久元市長:自衛隊の活動は大変重要なものだ。自治体として断ることはできるが、自衛隊の人員確保に協力することが適切であるという判断で提供している。国がどうだからということではない。もちろん我々は憲法を遵守する立場だ。憲法13条を尊重している。情報提供が憲法に抵触するものではない。
     赤田議員:2020年に国が閣議決定するよりも前に、久元市長と自衛隊兵庫地本とで個人情報の提供について覚書を交わしている。法令の根拠なくおこなうこと自体が問題だ。
     久元市長:国の通知があろうがなかろうが、法の規定に基づいて市の判断で情報提供している。
     赤田議員:自衛隊法97条を根拠規定として認めることになれば、提供対象となる情報が限定されていないため、住基4情報に限らず対象が無限定になる危険性があり、さらなる人権侵害につながる。
     小原副市長:国からも対象者情報の提供については住基法上特段の問題を生じるものではないとの見解が示されている。
     赤田議員:20の政令市のうち11市では、提供を希望しない市民が申請すれば名簿から除外できる。神戸市は除外さえ認めないのか。
     小原副市長:除外することに法令の規定はないので、変更する考えはない。
     赤田議員:住基4情報を勝手に提供すること、除外申請を認めないことは憲法13条に規定されたプライバシー権の侵害だ。地方自治は平和への侵害から住民の自由や権利を守るためにある。自衛隊への個人情報提供は地方自治のあり方を問う問題だ。議会に諮ることもなく自治体が応じる義務はない。


    安心して長く住み続けたい
    垂水区民の願い聞いたまちづくりを

     赤田議員は、今後の垂水区のまちづくりのあり方について質問しました。市営住宅について神戸市は、垂水区では乙木谷第二・本多聞・東高丸の3つの市営住宅の廃止・縮減をしようとしています。現在入居中の方々の転居先は簡単に見つかるものではなく、改築も含めて再検討し、住み慣れた環境での従来通りの生活を保障するべきと質しました。また医療体制では、垂水区の病床数が全国及び市内平均値を下回っていることを指摘し、「入院ができる産科・小児科病床の確保を」という区民の切実な願いを聞き、産婦人科や小児科病床を確保できるよう対策を求めました。

    答弁ダイジェスト
     ー市営住宅ー
     小原副市長:築40年を超えエレベーターもなく、過去の平均応募倍率が0.3倍であり、今後現地で存続させることが難しいため廃止する。入居者の意向を聞き丁寧に対応したい。
     赤田議員:長年住み続けてこられた方からは「できれば転居したくない」「できるだけ近くに」という声を聞いている。転居斡旋先にはトーホーストアが撤退し、買い物が不便なところもある。転居費用も十分とはいえず、実態を踏まえているとは到底思えない。エレベーター付きに建て替え、住民の願いに応えることが魅力的なまちにつながる。
     ー医療体制ー
     小原副市長:ご指摘の通り、垂水区は10万人あたりの一般病床数が最も少ない。産科・小児科病床を持つ病院がなく、公募で神戸徳洲会病院を事業者として決定した。現在産科は9床を確保している。新病院では14床を計画している。
     赤田議員:14床では少ない。かつては入院できる病院は複数あった。どこで暮らしていても、いざというときに入院できるような体制をつくるべき。垂水区の医療体制が遅れているという認識があるのに整備をする計画がないように思う。改めるべきだ。
     小原副市長:垂水区内では、中核病院の誘致を推進してきた。垂水区の立地では周辺の区での受け入れは可能だ。
     赤田議員:入院できる産科・小児科病床の確保は区民の切実な願いだ。神戸市として手だてを打つべきだ。

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