議会報告
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2月26日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団の前田あきら議員が代表質疑をおこないました。
質疑項目
1.既成市街地・ニュータウンの再生について
2.神戸空港島の赤字について
3.若い世代とりわけ女性の賃上げ、正社員化について久元市長は、「既成市街地・ニュータウンの再生」を、まちの「3つの再生」の一つに掲げました。しかし予算案には、その具体的な政策はなく、「都心・ウォーターフロント」や「主要駅」への大型投資に偏重し、学校園の統廃合、市営住宅の廃止やバス路線の縮小など、まちづくりの不均衡を加速させています。一方、新都市整備事業会計の廃止にともない、残された数百億円の財産は、神戸空港の借金返済や、新たな産業団地の造成に流用されようとしています。前田議員は、新都市整備事業会計の内部留保は、将来の修繕や維持管理に積み立ててきたものであり、ニュータウンや開発団地の直面する課題の解決にこそ活用すべきと質しました。
答弁ダイジェスト
前田議員:戸建てや団地一室の住宅改修支援は少しあるが、面的に街を再生する取り組みが弱い。須磨ニュータウンをはじめ、郊外には神戸市が開発した大規模団地が多くあり、このうち5階建てでエレベーターやスロープのない分譲団地では、高齢者や子育て世代が住みづらく空き家が増えている。こうした団地にも市として支援すべきではないか。
小原副市長:民間分譲マンションは私有財産なので管理組合で管理や改修をするのが大前提だ。
前田議員:国の社会資本整備総合交付金のメニューに優良建築物等整備事業(既存ストック再生型)がある。この補助率は国と地方自治体とで2/3だ。この事業を活用して分譲団地でエレベーターやスロープの設置を実現している自治体もある。
小原副市長:その補助メニューは初めて聞いた。事例をよく研究していきたい。
前田議員:郊外の団地の入居率が上がれば、これまで開発団地としてバスや学校など市が計画的に配置してきた公共施設を廃却させることなく有効活用できる。既存ストックの活用という観点からも、ニュータウン再生に予算をつけるべきだ。
前田議員:神戸市が造成した空港島の建設費と土地売却収入との差額の1846億円は、新都市整備事業会計の内部留保で立て替えてきた。これまで市長が繰り返し答弁してきた通り、空港島の負債は空港の土地の売却で償還し、売却後は一般会計に繰り入れて市民の生活に使うのか。
今西副市長:(空港島の土地売却で)すぐに利益が発生するとは見込んでいないが、将来生じる利益は一般会計に還元し、持続可能な大都市経営の視点を持ちながら、活用の方法を検討する。
前田議員:国際チャーター便の就航で舞い上がってるように見えるが、それも空港の大赤字の上に成り立っていることは度外視されている。空港本体の負債310億円の返済は市長が2059年まで先送りし、国際化工事で283億円以上に投資しようとしているが返済の収支計画すら出していない。一般会計に返ってきていない1846億円しかり、神戸空港がうまくいっていないという反省はないのか。
今西副市長:(空港島造成に)市税を一切投入していないので、市民に負担は転嫁していない。令和4年12月議会において「あらゆる財源を積極的に活用」するとの新たな決議も行われたので、それを守って適切に対応している。
前田議員:与党が提出した令和4年決議は、空港島の借金を踏み倒していいという決議なのか。着実に返済する計画がないのであれば、1846億円の借金を踏み倒した市長といわれても仕方がない。その一方で、空港の国際化や新産業団地、都心三宮の再整備で新たな借金をどんどんつくることの一体どこが「持続可能」なのか。神戸空港の国際化や、交流人口の増を掲げている都心三宮再整備こそ目先の人口増加を追い求めるものだ。子どもを産み育てることや住み続けることを困難にしている問題の解決に真剣に向き合い、住民本位で持続可能な施策こそ展開すべきだ。