議会報告

  • 2025年06月16日
    本会議

    ウォーターフロント再開発 インバウンド頼みではなく神戸港の歴史残したまちづくりを

    6月10日に神戸市会本会議がひらかれました。日本共産党神戸市会議員団を代表して松本のり子議員が一般質問をおこないました。

    質疑項目
    1.大型開発に頼らない観光について
    2.必要な部署への正規職員の適正配置について
    3.困難な問題を抱える女性への支援について

     神戸は開港後から世界各国から人や文化が流入し、日本人と外国人が暮らしており、独特の開放性と多様性の文化を生みだしました。戦前から外国人や市民が六甲山への登山や須磨や舞子に観光で楽しんでいる様子が当時の絵はがきなどからもうかがえます。これらはインバウンドうけを狙って名所になったわけではありません。〝市民が誇れる〟場所づくりを通じて独自の魅力を形成し、観光につながりました。その精神に立ち戻るべきです。いま、神戸市は、三宮駅前やウォーターフロント再開発、神戸空港の国際化に呼応してインバウンドの誘致に力を注いでいます。しかし、インバウンド需要を過度にあてにする観光戦略は、他都市との激しい競争を与義なくされる構造に陥り、開発が終わってもなお新たな開発を続けざるを得なくなるという、「開発依存のジレンマ」を抱えるようになります。松本議員は、インバウンドを目的としたウォーターフロントの大規模再開発は見直すべきと質しました。

    答弁ダイジェスト
    松本議員:舞子ビラ事業は業績不振で神戸市が101億円の損失補償し、布引ハーブ園やロープウェイ、アジュール舞子も多額の費用をかけて整備したが、毎年赤字で税投入している。本当に必要だったのか。15年先の見通しもつかないのに全国どこにでもあるようなウォーターフロントの整備計画で大丈夫なのか。
    久元市長:全国どこにでもあるような計画はできるだけ避けたいという思いは同じだ。周りが270度海に囲まれたジーライオンアリーナは少なくとも日本では唯一の場所だ。他の都市にはないような地理的条件や特徴・強み・歴史に支えられた様々な資産を有効に活用しながら他の都市と差別化できるような整備をしたい。
    松本議員:確かに周りは海だが、隣のメリケンパークと同じように感じた。三宮のバスターミナルと市役所2号館だけでなくウォーターフロントにも商業ビルができる。人口減少の中オーバーストアになるのではないか。船だまりを埋め立てたりメリケンパークに橋をつくったりするグランドデザインがあるが、15年先のニーズはどうなのか。
    今西副市長:ウォーターフロントのグランドデザインは個別の事業を決定したものではないが、事業化にあたって採算性も精査していく予定だ。ウォーターフロントの施設は民間投資が多い。市としてはインフラ部分の公共投資と適正緩和で民間事業者を呼び込んで魅力的なまちづくりを進めたい。
    松本議員:アジュール舞子は毎年5千万円、ハーブ園とロープウェイは3億円の赤字になっている。民設民営でも市が赤字を負担している点を考えると、これまで経済対策として企業誘致やインバウンド誘致を進めてきたが、これで本当にいいのか。インフラ整備と言うなら耐震化や老朽化対策を最優先にしながら、消費の回復を柱とした新たな経済対策に切り替えるべきだ。ウォーターフロントの歴史ある資産を活用するのであれば、船だまりや水上生活の様子など、これまで神戸港が栄えてきた歴史がわかる形で残すべきではないか。一度立ち止まってウォーターフロント整備を考えるべきだ。

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