議会報告

  • 2020年03月26日
    本会議

    朝倉えつ子議員が請願討論

     

     3月26日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団を代表して朝倉えつ子議員が、鈴蘭台駅北地区まちづくりに関する請願、敬老パス・福祉パス制度の見直しに関する請願についての委員長報告に対し反対討論をおこないました。

    討論の内容は以下の通りです。


     請願討論

     日本共産党神戸市会議員団を代表し、委員長報告に反対し、請願第5号、鈴蘭台駅北地区まちづくりに関する請願、請願第6号敬老パス・福祉パス制度の見直しに関する請願に、採択する立場で討論致します。

     

     請願第5号は、神戸市北区の「鈴蘭台駅北地区まちづくり」について、事業の中身を地権者などに丁寧に説明し、地域住民の合意の上で計画素案をつくること、また,住民大多数の合意を得るまでは正式なまちづくり協議会の認定は行わないことを求めるものです。

     北区鈴蘭台幹線道路は、昭和39年に都市計画され、当初から地元住民の合意が得られず、いまだ着工に至っていません。神戸市は、この幹線道路の整備を、まちづくりと一体に、区画整理事業として行おうとしています。

     区画整理事業は、事業が着手されないと、今住んでる方たちの移転先も決められないというもので、地権者からも「区画整理事業の中身がわからない」「自分の家がどうなるのかわからない」と声があがっています。

     当局は、何度も勉強会などを開き説明したと言い、来年度事業着手に向けて、まちづくり協議会を設立するため準備会が開催されています。しかし参加者は毎回10人~多くて20人程度の参加にとどまり、地権者250人から見て決して多数とはいえません。

     さらに、整備手法は決まっていないにもかかわらず、「まちづくり構想(素案)」は、「実現に向けて、土地区画整理事業手法(換地手法)を導入することが望ましい」とし、当局が主導し行ったアンケートでは、この素案に「賛同する」か「賛同しない」かの二択しかありません。

     「神戸市地区計画及びまちづくり協定等に関する条例」第4条では,まちづくり協議会は地区の住民等の大多数により設置されていると認められるもの,その活動が地区の住民等の大多数の支持を得ていると認められるものとされています。

     今の段階では、そういう状況にはなっていません。そのための議論も不十分といわざるを得ません。住民のみなさんに対して、もっと丁寧な説明や周知が必要と考えますし、より多くの方の議論の中で進めていくべきだと思います。

     

     次に、請願第6号は、敬老無料乗車券,近郊区路線の上限110円料金設定の現状維持及び拡充をすること。父子家庭への適用を含め,母子家庭に対する福祉パスの現状維持及び拡充をすることなどを求めるものです。

     敬老パス・福祉パスは、多くの高齢者や障がい者、母子世帯の社会参加と移動支援にかかせない大事な福祉制度です。神戸市は「持続可能な制度へ」と①敬老無料乗車券を廃止、②バス近郊区における上限110円の撤廃、③母子世帯への福祉乗車証の廃止など、見直し案を発表しました。福祉からは程遠く、所得の低い人を狙い撃ちした制度改悪にほかなりません。

     敬老パスの利用者は、有料化になる前には12万人以上でしたが、有料化になって以降7万8千人へと減少しており、高齢化を理由に制度改悪をする道理はありません。敬老パスを持つ4人に1人は無料乗車券の対象者です。年収120万以下で生活している低所得者の無料乗車券を廃止するなど、冷たさが際立っています。

     さらに市は、福祉パスから母子世帯を外し、ひとり親家庭の高校生通学定期補助に「制度を転換」すると言いますが、母子世帯への福祉パス交付枚数は1万1,043枚あるのに対し、市が見込んでいるひとり親高校生通学定期補助の対象はわずか3700人にしかなりません。福祉向上の理念からも大きくかけ離れ、必死で子育てをする家庭を切り捨てるものです。

     母子世帯が持つ福祉パスの7割は母親が利用しています。当局は母子世帯の生活実態について、大変厳しいこと、調査し相談も受けよくわかっているとしながら、こうした低所得者から制度を奪い、一番困っている高齢者にさらなる負担を強いる愚策は、本当にやめるべきです。

     市は「地域格差がある」と言いますが、今回の改悪ではさらに格差は拡がります。パスの適用範囲を拡げるなど、制度を充実させる方向でこそ格差を解消するべきです。

     「制度改悪をやめよ」と、神戸市議会には議会請願、市長への要望書など、49600筆を超える署名が寄せられています。わが会派は「制度を維持するのが当然であり、市民の声に応えて、さらに制度の充実を」と強く求めてきました。

     敬老パスの利用者負担を増やし、福祉パスの対象を狭める制度の改悪ではなく、予算の枠こそさらに拡げ配分すべきです。

     相次ぐ消費税増税と新型コロナウィルス感染症による深刻な影響が、市民の暮らしに打撃を与えているこの時に、さらなる負担増や福祉切り捨てはやめるべきです。

     

    以上、請願の採択を主張する理由を述べました。みなさまのご賛同をお願いします。

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