議会報告
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6月24日の神戸市会本会議で、日本共産党神戸市会議員団の林まさひと議員が、議員提出議案「国会での憲法論議の推進及び国民的議論の喚起を求める意見書(案)」について、反対討論に立ちました。
討論の内容は以下の通りです。
反対討論
わたくしは、日本共産党神戸市会議員団を代表して、議員提出第14号議案「国会での憲法論議の推進及び国民的議論の喚起を求める意見書(案)」について、以下の理由で反対し討論を行います。
反対の第一の理由は、いまは新型コロナウイルス感染症に対して、国会あげて、外出自粛や休業要請と一体の補償を行うことをはじめ、国民の生活を支え、事業の継続を支えるために与野党が力を合わせ、力を尽くさなければならないときだからです。それは感染拡大を防止する政治の責任であるとともに、個人の尊重と幸福追求の権利(13条)、生存権(25条)と財産権(29条)など、憲法が保障している国民の権利を実現する政治の責任でもあります。
一人10万円の給付や、上限100万円の個人事業主への給付金が一回限りでは国民生活は守れません。感染拡大を防止するための医療、検査体制の整備も急務です。ですから野党は一致して、国民の苦難解決のため国会の会期の延長を求めています。
反対の第2の理由は、国民世論はいま改憲の議論をすることを求めていないからです。5月3日の憲法記念日に際して、各メディアが報道した憲法についての世論調査は、そのことをはっきり示しています。「朝日」では、「国会での憲法改正議論」を「急ぐ必要がない」が72%で、「安倍政権のもとでの改憲」に「反対」は58%となり昨年の調査より増加しました。NHKでは「憲法以外の問題に優先して取り組むべき」が78%を占めて、「憲法改正の議論を進めるべき」の13%を大きく上回りました。
また、国民投票法改定案が提出されてから2年近くがたちます。この間、6回開かれた国会の憲法審査会でほとんど審議されないのも、国民世論の反映です。安倍首相が固執する自民党改憲案の提示もできないままです。意見書案では、「我が国をめぐる国際情勢や国内における社会の大きな変化を踏まえ、」とありますが、憲法との関係で何が、どう変化したのか、意見書案では明らかではありません。
この時期に、あえて国会で憲法論議を求める意見書案には道理がありません。議員各位の賛同をお願いして反対の討論といたします。