議会報告
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9月18日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市議団を代表して森本真議員が議案質疑をおこないました。
質疑項目
1.医療・検査・保健体制の拡充で感染拡大を防止することについて
2.苦しんでいる事業者への支援について
3.学びの保障と感染対策を一体で進める少人数学級について
特養入居者へのPCR検査拡充 高齢者のインフル予防接種無料化『検討する』と確約神戸市は、第1波の経験を活かして、中央市民病院のコロナ専門臨時病棟の整備や軽症者宿泊療養施設の設置、健康観察者への積極的なPCR検査の拡大など、我が会派が要望してきた内容も取り入れて、感染拡大を防止する施策を実施してきました。
今回の補正予算案では、「検査体制の強化および医療体制の安定的確保」として、分娩前のPCR検査の実施などが計上されています。新型コロナウイルス感染の特徴として、無症状者が感染を広めています。感染リスクが高く多くのクラスターを発生させている高齢者施設、医療機関、学校や幼稚園、保育所、夜の街、飲食店などについては、感染者が発生してから検査するのではなく、無症状の陽性者を早期に発見し、初期の段階から感染を抑え込むことが重要です。森本議員は、社会的目的でハイリスクな施設に対して積極的にPCR検査を実施するよう求めました。答弁ダイジェスト
恩田副市長:まずは特別養護老人ホーム、特に要介護度の高い人が多い施設において新規入所者、直接介護にあたる職員に対してPCR検査を実施するよう考えている。
森本議員:8月の新型コロナウイルス感染対策本部で「一定の高齢者や基礎疾患を有する者について市区町村において本人の希望により検査をおこなう場合に国が支援する仕組みを設ける」と決定された。高齢者は特養や要介護の方だけではない。この立場で検査拡大をすべきだ。
恩田副市長:助成については今後検討していく。
森本議員:助成ではなく、国の支援なのだから無料で実施すべきだ。
久元市長:今後決定する国の動向を注視して市として対応していく。
森本議員:早期発見のためにも社会的目的で検査し、(感染を)最小限に抑えるという立場で検査の拡大にのぞんでいただきたい。また、コロナと症状の似たインフルエンザワクチンの高齢者の無料接種が全国に広がっている。神戸市は生活保護者と市民税非課税者だけだ。無料で実施すべきだ。
恩田副市長:十分に検討する。
森本議員:しっかり検討し、補正予算に計上していただきたい。コロナ倒産防げ市の責任でさらなる支援拡充を
神戸市は、新型コロナウイルス感染症対策として、6月補正予算で編成した「中小企業チャレンジ支援補助金」「中小法人等の店舗家賃負担軽減補助金」に25億円の予算を組みましたが、見込みの4倍近い申し込みがあり、59億円の追加補正を決めました。これは、神戸市が想定した以上に、市内の多くの事業者がコロナで窮地に陥っていることを証明しています。しかし現在、神戸市をはじめ国・県などの支援策もなくなりつつあり、多くの事業者は先行き不透明なコロナ禍で苦しんでおり、倒産・廃業も広がっています。森本議員は、これ以上の倒産・廃業を出さないためにも、さらなる調査と支援策を講じるべきと質しました。
答弁ダイジェスト
森本議員:神戸の様々な事業者のおかれている状況を把握しているのか。神戸の経済状況は、経済観光局が発行している「神戸経済の現状」がひとつの目安の数値だと思う。毎月倒産と失業率が報告されているが、3月からは発行されていない。コロナの特集を組み、市の支援策や現状を報告するべきではないか。
久元市長:把握していないわけではないが、(森本)議員のご指摘も踏まえて調査分析をおこない、それに応じた対応をしていきたい。
森本議員:50団体の調査では不十分だ。9月末になると施策がほとんどなくなり、事業が継続できるか不安で困っている中小業者が多い。倒産件数も把握できていないようでは、経済政策に力が入っていないと言わざるを得ない。
今西副市長:広報は必要かと思うので、何らかの形で公表していく。
森本議員:広報だけが大事ではない。今は中小業者の方々がどのような支援を求めているのかが重要だ。そのためには団体に頼らず市が自ら発信し、多くの中小業者の声を聞くべきだ。
久元市長:様々な観点で市内の経済を把握し、さらなる改善につとめたい。少人数学級実施は急務
こどもたちの学び、心身のケア、安全を保障するためにコロナ禍のなか、長期の休校でつらい思いをさせた子どもたちは、夏休みも短縮され、暑く、密状態の教室で学んでいます。いま、子どもたちには、学び、心のケア、安全を保障する必要があります。今回の補正では、長期の休校で遅れた学習を補うとして少人数指導のための教員の加配配置の補正予算が計上されていますが、小6・中3の最終学年だけだとされています。森本議員は、少人数学級の実施は、ソーシャルディスタンスを保ち、感染リスクを抑えるだけでなく、個々の児童・生徒に対して状況に応じて指導が期待されていることから、今後さらに拡大するよう求めました。
答弁
長田教育長:国の第二次補正予算に計上された教員の加配を活用し、順次実施している。この度の補正予算において加配教員の追加配置に要する予算を計上し、国の趣旨に基づき最終学年の少人数指導に活用している。引き続き追加配置につとめたい。しかし、少人数学級編成を実施していく場合、人員や教室の確保等にかかる財政負担や物理的制約など多くの課題があるので、まず35人学級編成の対象学年の拡大を念頭において引き続き国に要望していく。