議会報告

  • 2020年10月27日
    本会議 予算・決算

    コロナ禍で苦しむ市民にさらなる負担押し付けは許せない!!

    神戸市議会本会議が10月27日にひらかれ、日本共産党神戸市会議員団の林まさひと議員が反対討論をおこないました。

    ・医療・保健所体制の強化について

    ・コロナ禍で窮地に陥っている地域経済・中小業者への支援について

    ・コロナ禍で苦しむ市民へのさらなる負担増について

    ・市長公約である小中学校の少人数学級実現について

    ・「行財政改革方針 2025」について

     昨年 10 月の消費税増税に便乗し、軒並み公共料金を値上げしたことで、市民生活を苦しめました。

     他都市では、コロナ禍で苦しむ市民の暮らし応援のために、上下水道料金の減免などが実施されるなかで、神戸市は反対に下水道料金を値上げし、年間 12 億円の負担増を押しつけました。

     さらに,この10 月から、敬老優待乗車制度の無料乗車券を廃止、バス近郊区上限の撤廃と、福祉乗車制度の母子世帯の福祉パスを廃止するなど、支援が必要な高齢者や弱者にさらなる負担を押し付けています。林議員は「市民の願いに背を向けながら、三宮再開発など不要不急の大型開発は聖域にするなど到底認めるわけにはいかない。市長は、未来都市創造に関する特別委員会が『三宮再整備事業がどこまで市民に求められているのか、全てを計画通りにすすめる必要があるのか』という委員全員一致の提言で指摘したことを真摯に受け止めるべき。そして『感染拡大以前の 社会情勢を前提としたすすめ方や手法を再検討』し、トリクルダウンの幻想をふりまく不要不急の事業は中止するべき」と批判しました。

    討論の全文は以下の通りです。


           反対討論          

    林まさひと

     私は,日本共産党神戸市会議員団を代表して,委員長報告に反対し討論いたします。令和元年度神戸市各会計決算のうち決算第1号から決算第4号,決算第7号から決算第12号,決算第14号から決算第20号の合計20議案は認定できません。また決算関連議案のうち第56号議案,第57号議案の2議案は承認できません。

    以下,承認できない反対の理由を申し述べます。

     

    第1の理由は,新型コロナウイルスの感染拡大で浮き彫りになった,医療・保健所体制の脆弱さを抜本的に立て直す体制の強化が不十分だからです。

    新型コロナウイルス感染拡大に伴い,公衆衛生の最前線となる保健所や重症者をはじめとする患者の受け入れを行った中央市民病院は不眠不休の態勢を余儀なくされました。しかし,医師・看護師・保健師など必要な人員と体制の確保は不十分なままです。

     花田健康局長は,今後コロナ感染が広がった場合,コロナ専門臨時病棟への対応のため「一般病棟を閉めて対応する。スタッフの数が限られている」「両方とも100%というのは無理。」と市民病院の態勢の不足を表明。

     保健所長は,2009年の「新型インフルエンザのときには,各区に1人ずつ専任保健師として配置されましたが,事務事業の見直しなどで減員になりました」「平成27年からは,会計年度職員を採用したが会計年度職員では力量及び応用力というのが難しい」と,職員削減と任期付き雇用の限界を答弁しました。

     市長は,これら局長の叫びにこたえ,また予想される第3波以降の感染拡大に備えるためにも,今こそ医療と公衆衛生の体制を抜本的に強化すべきです。

     

    第2の理由は,コロナ禍において,生業(なりわい)が窮地に陥っている地域経済・中小業者の状態を置き去りにしたままだからです。

    コロナの影響により,中小業者の経営は危機にさらされています。国民の世論と野党の論戦で実現した持続化給付金などの直接支援でこの夏を乗り切ってきた中小業者も,無事に年が越せるのか,年末にむけて廃業・倒産が激増する危機にあります。

    しかし,6月以降,中小企業向けの市独自の支援策はありません。

    今西副市長は,総括質疑で「神戸市といたしましてもこれまでの支援策で十分と考えているわけではございません」「適時・適切に実効性のある支援策を引き続き検討していく」と答弁されました。

    ならば,今こそ,市独自で街の元気をささえる中小業者への直接支援を行うべきです。

     

    第3の理由は,市民の声を聞かず,コロナ禍で苦しむ市民にさらなる負担増を押しつけているからです。

    昨年 10 月の消費税増税に便乗し,軒並み公共料金を値上げしたことで,市民生活を苦しめました。

    他都市では,コロナ禍で苦しむ市民の暮らし応援のために,上下水道料金の減免などが実施されるなかで,神戸市は反対に下水道料金を値上げし,年間 12 億円の負担増を押しつけました。

    さらに,この10 月から,敬老優待乗車制度の無料乗車券を廃止,バス近郊区上限の撤廃と,福祉乗車制度の母子世帯の福祉パスを廃止するなど,支援が必要な高齢者や弱者にさらなる負担を押し付けています。

    市民の願いに背を向けながら,三宮再開発など不要不急の大型開発は聖域にするなど,到底認めるわけにはいきません。

    市長は,未来都市創造に関する特別委員会が「三宮再整備事業がどこまで市民に求められているのか,全てを計画通りに進める必要があるのか」という委員全員一致の提言で指摘したことを真摯に受け止めるべきです。そして「感染拡大以前の 社会情勢を前提とした進め方や手法を再検討」し,トリクルダウンの幻想をふりまく不要不急の事業は中止するべきです。

     

    第4の理由は,市長公約である小中学校の少人数学級実現に真剣に取り組む姿勢がないからです。

    感染拡大を防ぎ,学校でのクラスターを発生させないためにも,コロナ禍での子供たちのストレスと学力格差,教職員の多忙と疲弊を軽減するためにも,少人数学級の実現が待ち望まれています。市長は,自身の公約実現の立場にたって少人数学級実現へ真剣に向き合うべきです。

    さらに,こども医療費完全無料化・高校生医療費助成拡充という市長公約実現に誠実に向き合うべきです。

     

    第5の理由は,「行財政改革方針 2025」によって,更なる福祉や市民サービスの削減と職員削減に踏み出そうとしているからです。

    「行財政改革方針 2025」では,今後5年間で 292 億円もの事務事業の削減・縮小で福祉と市民サービスの切り捨てと750人もの職員削減を行おうとしています。

    そして,コロナ禍で市民からの相談が集中した区役所への来庁者の4割削減を目標にするなど,この間の実態,経験を全く踏まえていません。

    公務員半減を掲げる,国の「自治体戦略 2040 構想」の実験台に神戸を差し出す方針は撤回するべきです。

     市長は「行財政改革方針2025」について「策定した以上は断固たる決意を持って実施する」と宣言しました。

    市長は,自身の公約である子どもの医療費完全無料化や少人数学級の実現について「出来ていないものもある」と開き直りながら,福祉と市民サービス切り捨てについては当然視し,執行を宣言するなど,いったいどちらをむいて市政運営をおこなっているのか,と言わざるを得ません。市長は1日も早く国の官僚という立場と決別し,神戸市長として職務すべきです。

    多くの住民がコロナ過でくるしんでいるいまこそ,神戸市が「住民の福祉の増進」という地方自治体本来の役割を発揮すべきです。

    以上,決算を認定できない理由を述べました。議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。

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