議会報告

  • 2021年03月29日
    本会議

    街灯増やして注目されることが人口減少対策⁉トップダウンではなく市民に寄りそう市政運営に転換を

    3月29日に神戸市議会本会議がひらかれました。日本共産党神戸市議団を代表して西ただす議員が登壇し一般質問をおこないました。

    質疑項目
    1.学校の改修について
    2.中学校給食について
    3.地球温暖化防止について
    4.「リノベーション・神戸」事業の見直しについて


     久元市長は2019年9月に神戸市が日本で最も人口が減少したことへの対策としてリノベーション神戸第一弾を打ち出し、30億円もの巨額の予算をかけて街灯を設置する計画を実施しました。これは当時から「人口減少対策というなら子育て支援などにもっと力を入れてほしい」との市民の声を無視した施策でした。ところが今議会において、予算編成時に「初歩的なミス」があったとして、さらに22億円もの補正予算が計上されるに至りました。建設局による報告では、予算よりも「『防犯灯を現行の1.5倍、4万8000灯増設』という命題をどのように実現するかに意識が傾注してしまった」「市民の税金を使って事業を実施しているという認識が持てていなかった」ことが原因としています。西議員は、市民の税金を扱っているという意識よりも市長の出した命題が優先される状態について見解を求めました。

    答弁ダイジェスト

     油井副市長:神戸が注目され新たに住んでもらうためには、街灯を増やし、明るく安全な街にすることが非常に大事だ。4万8000の街灯は今までに経験したことのない数。設置場所については計画になく、目標達成に傾注するあまり複数のミスが重なった。
     西議員:結局は現場を見ず必要な数をつかまずに決定したことが失敗の原因だ。
     油井副市長:結果的に3万5000になったが、これで明るい安心安全なまちづくりができると思っている。
     西議員:三宮再開発や必要以上に街灯を増やすような多額の予算を計上する不要不急の事業よりも、市民生活を応援してこそ明るい街になる。市長が頭の中ですすめたような計画を上から押し付けるのではなく、市民生活に目を向け、市民に寄りそった予算をつけるべきだ。


    地球環境悪化を黙認するな!
    市の責任で石炭火力発電稼働中止を

     神戸製鋼(以下「神鋼」)は、現在灘浜に増設中の石炭火力発電所を4月中旬に試運転をすると発表しました。久元市長は2050年にはCO2排出実質ゼロを掲げていますが、このまま2021年と22年に2基の石炭火力発電所が本格稼働すれば、150万の市民が排出するよりも多くのCO2を神鋼一社で排出することになります。すでに温暖化による気候危機がすすみ、大きな災害が世界でも神戸市でも広がっています。西議員は、地球温暖化をとめ、市民の命や安全を守るためにも神鋼が推しすすめる石炭火力発電所の設置には反対すべきと質しました。

    答弁ダイジェスト

     今西副市長:国のエネルギーミックスの中で石炭火力発電所の割合が決められ、神鋼が稼働している。ただこれがいつまでも続くことがいいというわけではなく、抜本的対策をしようと国も大きく動き始めているので我々も努力していく。
     西議員:神鋼を認めながら神戸市が目標や宣言を出す意味がわからない。自治体として真剣になれば石炭火力発電からの脱却をすすめる取り組みはできる。神戸にその選択はないのか。
     今西副市長:CO2がまったく出ないエネルギー供給ができればそれに越したことはないが、今の技術開発、資源の状況も考えながら実現可能な対応をする。
     西議員:市長自身が「豪雨災害などの気候変動の影響が化石燃料の消費だ」と言うなら、なぜその原因に目を向けないのか。確実に(CO2排出を)減らすためには石炭火力発電所を止めるしかない。神鋼を無視して他の施策を強調し、いかにもやっているふりをして、実際は地球環境の悪化を黙認し、市民の命や安全を守らないなど自治体としてあってはならない。


    安上がりな民間参入の失敗を教訓に自校調理の中学校給食を

     神戸市の中学校給食は、市民の粘り強い運動で実現しました。しかし、教育委員会は、予算を抑えた民間業者によるデリバリー方式を採用したことで衛生管理基準違反が問題となり一時は給食がとまるような事案も起こりました。また、喫食率を上げるためにレトルトを増やし、容器を新しくするなどしましたが喫食率は低いままです。こうした中ようやく教育委員会も全員喫食でのあたたかい給食をすすめる方針を打ち出しましたが「費用対効果や効率性などの観点から最適な方式を検討する」としています。西議員は「子どもたちにとって最善のあり方を検討してすすめるべき。予算を抑えたために結局不十分で終わった失敗を教訓に『あたたかくておいしい小学校のような給食を』の願いを正面から受けとめ自校調理方式を基本とした給食へ転換すべきだ」と質しました。

    答弁ダイジェスト

     長田教育長:自校調理方式は給食室の整備にかかる財政負担などの課題がある。
     西議員:教育委員会もランチボックス方式の失敗と親子方式への期待を認め、今回の方針転換につながったはずだ。子どもや保護者の声を受けとめると言いながらお金の問題が先に立っている。子どもや保護者が求める「小学校のような給食」という願いにこたえなければまた失敗するのではないか。
     長田教育長:今回おこなったモデル実施の結果で、子どもたちが「すべて温かいもの」を求めていることがわかった。ランチボックスを改め、今年の秋までに基本方針を策定する。
     西議員:温かいものだけを求めているわけではない。これまで安上がりな民間参入の失敗を教訓にして自校調理方式を基本にすすめるべきだ。


    児童の安全・安心を守るために学校施設整備への予算を増やせ

     神戸市は、児童生徒の安心安全を確保することが重要な課題とし、2018年に神戸市学校施設長寿命化計画を策定しました。西議員は、この間東灘区の小中学校を訪問し、多くの学校で老朽化などにより安心して学ぶ環境が保障されていないことを痛感してきました。住吉中学校でも老朽化対策が予算の関係で棚上げになりました。「このようなことが起こるのは、学校の施設整備に対する予算が根本的に不足していることが原因だ」と強く訴え、児童の安全・安心に真剣に向き合い、必要な予算をつけるべきと追及しました。

    答弁ダイジェスト

     長田教育長:不具合箇所の早期発見を目的として専門家による全学校園への施設安全パトロール回数を増やし、必要な場合には速やかに修繕をおこなっている。
     西議員:パトロールを増やして危険個所が見つかっても予算が足りず、すぐに着手できないのは問題だ。
     長田教育長:子どもたちの安全を守るために必要な予算を確保し教育環境の改善につとめたい。
     西議員:住吉中学校は雨が天井から壁に侵食し、部分的な雨漏りではすまなくなっている。児童のことを考えてすぐしてほしいという声があがっている。この声に答えるべきではないか。
     長田教育長:すぐに確認し必要な対応をする。
     西議員:神戸市は全国に率先してGIGAスクール構想に予算をつけすすめたと誇っているが、児童が安心して学べる環境が保障される学校整備にこそ予算をつけるべきだ。


    【お詫びと訂正】市議会だより287号の日付に誤りがありました。2020年4月4日(日)となっておりましたが、正しくは2021年4月4日(日)です。お詫びして訂正いたします。

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