議会報告

  • 2021年09月09日
    予算・決算

    決算特別委員会局別審査から①

     9月8日と9日に決算特別委員会がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団から森本真議員・大かわら鈴子議員・西ただす議員・朝倉えつ子議員が局別審査に登壇しました。


    「市民サービス後退につながる行財政改革はやめよ」

    9月8日 行財政局審査より大かわら鈴子議員

    質疑項目

    1.行財政改革2025について

    2.国保料の債権管理について

     神戸市はこれまで行財政改革2020で「選択と集中」をかかげ、(令和2年時点で)7719人もの職員を削減してきました。今コロナ禍で市民生活が深刻な状況の中、市民に寄り添い支援する行政の役割は今まで以上に重要となっています。にもかかわらず行財政改革2025では、スマート自治体を目指すとして新たに5年間で750人の職員削減、民間活力導入をかかげています。まずは今年4月から兵庫区役所と北神区役所の市民課・保険年金医療課の窓口業務を株式会社パソナに業務委託し、順次各区へ広げていく予定となっています。大かわら議員は「区役所の窓口は市民が最初に接する所で、より丁寧な対応が求められるところだ。短期間の派遣で次々窓口の人が代われば、個人情報保護や守秘義務など守られるのか」と追及。労働強化、公的責任の後退、市民サービス後退につながる行財政改革はやめるよう求めました。

    答弁ダイジェスト

    大かわら議員:公務員の場合は守秘義務が厳しく、漏れた場合、懲戒処分や刑事罰まで課せられているが、民間事業者はそうなっていない。他都市でも公金着服や情報漏えいなどいろんな問題が起こっている。どう防ぐのか。

    久安副局長:守秘義務は契約の中でうたっている。他都市の事例も改めて認識をしていただくとともに、契約の遵守をはかっていきたい。

    大かわら議員:誓約していても限界がある。行政サービスを提供する場を、特定企業のもうけの場にするのは問題だ。


    「コロナから市民のいのちと生活をまもる役割をはたせ

    9月8日 消防局・危機管理室審査より西ただす議員

    質疑項目

    (危機管理室)・コロナ対応でイニシアチブをとれ

           ・災害対応のためにも行財政改革で職員を減らすな

    (消防局)  ・コロナから消防職員、市民を守る

           ・消防力の向上のためにも職員の充足を

     日本において新型コロナウイルス感染が明らかとなって2年近くがたちこの間、安倍、菅政権の下でのコロナ対応に国民は不安を感じ、怒りの声を上げてきました。

     そんな危機的状況の中、消防局が果たす役割は増大しています。救急や火災に取り組み、さらにコロナ対応の全線にも立つ、最も命に関わる局の1つです。そして、気候危機で豪雨や台風が増え、被害が激甚化しているなか、コロナ対応で時間もかかり、精神的にも肉体的にも負担がふえている、そんな局であるにもかかわらず、職員数をみると、定員より130人ほど隊員が足りていません。西議員は、早急な隊員の充足を求めるとともに、隊員への定期的なPCR検査と家族への優先的なワクチン接種の機会を求めました。当局から、いい答弁はありませんでしたが、市職員削減路線を続ける久元市長の路線がここでも、あからさまです。西議員は、市民の生活に関わる予算こそ増やすべきと強く求めました。

     また、神戸市においては、これまで2万4000人をこえる方が感染をし,600人近くの方の命がうばわれ,感染状況の指標の多くはステージ4となっています。最近まで入院が必要なのにできない自宅待機者が2,000人を超える状況が続いてきました。

     市民の命や安全を守る責任を負う危機管理室として、コロナ感染拡大を抑え込む上で、各部局の連携をすすめ、イニシアチブが必要です。西議員は「ワクチン接種がすすんでいるとはいえ、感染力が非常に強いデルタ株が拡がる下で、三密の回避が難しい学校、保育園、幼稚園、学童などでの感染拡大は喫緊の課題だ。児童や親、職員の不安を少しでも減らすためには繰り返しのPCR検査の実施が必要だ。健康局長はPCR検査はそれ以上はできないと言うが、危機管理室としての見解はどうか」と質しました。

    答弁ダイジェスト

    山平危機管理監:国や県の方針も踏まえまして,また,健康局で専門家の意見も聞いた上で,今の神戸市の対応方針になる。西先生の御意見は所管局には伝えたい。

    西議員:国の対応では不安だ、命が守れないと多くの方が感じている。命を守るために早急な対策を求めるべきだ。


    民設・民営のウォーターフロント再整備 コロナ見据えない大企業優遇の計画見直せ」

    9月9日 港湾局審査より森本真議員

    質疑項目

    1.ウォーターフロント再開発について

     神戸市は、新港第1突堤基部と第2突堤を民間に売却し、世界を魅了するラグジュアリーな街にするとし、民設民営による再開発をすすめようとしています。民間企業が公共施設を建設すると固定資産税等の減免や金融支援など至れり尽くせりの特例措置が受けられます。さらに、市が100%出資して外郭団体までつくり開発からマネジメントまでを担っています。森本議員は「もともとこの計画はコロナ前のインバウンド頼みの企業優遇の再開発だ」と指摘し、三宮再開発も含めてコロナ後を見据え一旦立ち止まって計画を見直すべきと質しました。

    答弁ダイジェスト

    長谷川局長:神戸経済の波及効果のために民設民営の事業は不可欠だ。

    森本議員:コロナ前はインバウンド誘引の方針だったが、今インバウンドの見通しは立っていない。見直すべきだ。

    長谷川局長:民間の責任なので我々は心配していなし、見直しもしない。

    森本議員:コロナ禍で様々な計画が見直される中、市民のためでなく企業が儲かるために市が土地を提供するような再開発は再考すべきだ。


     地元に根付く中小事業者の支援を一番にすべき」

    9月9日 企画調整局より朝倉えつ子議員

    質疑項目

    1.外郭団体の見直しについて

    2.企業支援について

    3.データに基づく持続可能な路線バス網の構築について

    4.スマートシティ推進について

     神戸市は神戸経済の持続的成長をめざすとして、スタートアップ、企業、学生等の連携促進をはかる「ANCHOR KOBE」を創設しました。投資額は1億4千万円で、現在145社の企業が会員料を払って参加しています。

     朝倉議員は「特別会員は月15万円、高い会費を払えるごく一部の企業のためだけに、市がまさに特権を与えるような偏った支援だ」と追及。一部のベンチャー企業だけを応援するのではなく、今コロナ禍で先が見えず、困り果てている中小事業者の支援こそ1番にすべきだと求めました。

    答弁ダイジェスト

    朝倉議員:企業誘致の推進として、神戸エンタープラズゾーンや神戸国際経済ゾーンで、医療産業都市など特定地域に進出する企業に対しては24年間で93億9900万円も固定資産税・事業所税の軽減で支援。さらに雇用が増えれば補助金が上乗せされる。まさに誘致する企業には至れり尽くせりの支援だ。

    竹内新産業部長:制度を創設以来、土地処分255ヘクタール、雇用創出14000、投資額5700億円、税収増加等、神戸経済の活性化に効果をあげてきた。

    朝倉議員:ベンチャーなどは、大盤振る舞いしても東京進出など撤退する企業もある。今、日常的に消費する商売をされている方が深刻な状況だ。国に追随した企業への支援よりも、苦境に立たされている地元事業者の経営を維持していく支援にこそ転換すべきだ。

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