議会報告
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9月10日と13日に決算特別委員会がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団から松本のり子議員・山本じゅんじ議員・味口としゆき議員・今井まさこ議員が局別審査に登壇しました。
「医療体制の逼迫につながる病床削減はやめよ」
9月10日 健康局審査より松本のり子議員
質疑項目
1.神戸市内病院の病床削減について
2.学校園でのPCR検査について
3.保健師の増員と働き方について
4.コロナ感染者の在宅酸素に補助すべき
今年5月に、消費税を財源にした補助金を、病床削減した病院に配る「病床削減推進法案」が、自民・公明・維新の会・国民民主党の賛成多数で可決されました。今年度は195億円の予算が計上、単純計算すれば削減される病床は1万床になります。
神戸では神戸労災病院44床、三菱神戸病院24床が削減されました。さらに六甲病院は民間病院に譲渡され、済生会病院は三田市民病院との統廃合に向けた協議もすすんでいます。コロナ禍の今、はっきり言えることは、医療体制は平時に一定の余力がいるということです。そのためにも市民病院が過去移転にともない減らしてきた病床144床を元に戻し、さらに増やしていくべきと質した松本議員に対し、花田健康局長はベッドの数は減らしてもスタッフの能力が上がっているから大丈夫と答弁しました。松本議員は今、全国でも、入院できす自宅や施設で留め置かれたまま亡くなる方もでている。スタッフが優秀でもベッドがなければ入院はできない。国の愚策に追随せず、市民の命をまもる自治体として病床を増やすべきだと質しました。
答弁ダイジェスト
花田局長:病床の数というより、スタッフの教育、病院の改修、ゾーニングができるような構造にしておくとかの方がコロナの受け入れ数に影響する。
松本議員:神戸市でコロナの受け入れ病床のうち7割8割を公的病院が担っている。病床削減が医師や看護師など医療従事者の削減につながり、医療提供体制に影響を及ぼす。いまこそ、入院(できる体制が)が必要だ。
「制約ありきの安上がりな対策では子どもの命守れない!今すぐ保育士の確保のための制度と処遇改善を」
9月10日 こども家庭局審査より味口としゆき議員
質疑項目
1.こども家庭センターの一時保護所について
2.ohana保育園について
3.公立保育所の課題について
神戸市ではフルタイムの保育所職員の欠員が深刻な問題になっています。その対策として、民間の職員には給与とは別に市が支払う一時金や、月額10万円の家賃補助などの「6つのいいね」制度を開始しました。しかし、公立の有期の会計年度任期職員には、この制度は適用されず欠員は解消されていません。味口議員は「コロナ禍で保育士の仕事がさらに多忙を極めている中、フルタイム職員が集まらない仕組みを神戸市が生み出している。欠員の穴埋めのために安上がりなパートと会計年度職員の活用では子どもの命・安心安全を守れない」と厳しく指摘し、何でも民間・非正規任せの保育政策の抜本的転換を求めました。
答弁ダイジェスト
味口議員:民間で働けば色々な補助があるのに、公立では時給1170円のパートで、一時金や補助の対象外では職員が集まるはずがない。正規職員を確保できるように制度を考えるべきだ。
山村局長:保育ニーズのピークは2022年。先を見据え正規職員と会計任用の職員がチームを組んでやっていただく。制約の中で最大限の効果を発揮していくことが重要だと思うが、今の体制を変えるつもりはない。
味口議員:必要な予算もつけず欠員だらけで最大限の効果など発揮されない。子どもの命を守るために、早急に改善すべきだ。
「プラスチック問題に神戸市として積極的に取り組め!」
9月13日 環境局審査より山本じゅんじ議員
質疑項目
1.地球温暖化防止
2.プラスチック問題
3.アスベスト調査洩れ
近年、海洋マイクロプラスチック問題をはじめプラスチックによる地球環境への深刻な影響が次々と明らかとなっています。2019年プラスチック資源循環戦略を策定。今年6月にはプラスチック資源循環促進法が制定され、自治体としてもプラごみ対策への積極的な取組がますます問われることになります。
山本議員はプラスチック問題の根本的な解決には、徹底した発生抑制が必要と指摘し、法整備などが進んできており、神戸市としても目標を持ってプラごみ削減に計画的に取り組むよう求めました。
また、事業系ごみでプラスチックは燃えるゴミとして処理されている問題について、実態を把握し減らす計画をたて、家庭ごみと同じように分別してはと提案した山本議員に対し、当局は大規模事業所のデータを把握しているが、実態を十分に把握している状況ではないと答えました。山本議員はさらなる対策をもとめました。
答弁ダイジェスト
浜本副局長:しっかりと取り組んでいきたい。(プラスチック)新法ができたが詳細が明らかになっておらず、まだ計画を立てる段階にはなっていないと思っている。課題が多く一足飛びにはいかないが、回り続けるリサイクルを展開し、思いを同じくする事業者ともいろんな取り組みをやっていきたい。
山本議員:難しいのはわかるがあえて目標をたててやってほしい。プラスチックの利点はあるが、廃棄量の6割は焼却され、地球温暖化防止の観点からも好ましくないプラスチック自体を減らしていかないと意味がないという状況にまできている。国の示した一定の数値目標に向け整合性を持たせたいというのなら、神戸市として目標をつくるべきだ。
(事業系ごみについて)
山本議員:(答弁は事業者が提出する減量計画書に触れたものだが)減量計画書ではプラスチックについては報告の対象にも(減量)計画の対象にもなっていない。これにプラスチックの項目を加え、積極的に目標をもって減量に取り組んでもらってはどうか。
浜本副局長:アンケート調査も踏まえ、今後色々検討していくなかで必要があればそういう対応もあるかなと思う。
「拠点駅リノベーション計画は見直しを」
9月13日 都市局審査より今井まさこ議員
質疑項目
1.三宮再整備について
2.拠点駅リノベーション計画について
3.駅から離れた地域の対策について
神戸市は垂水駅、名谷駅、西神中央駅を拠点駅と位置付けて、マンション建設を推進し、人口を駅周辺に貼り付ける計画をしています。垂水駅前では、北側にある廉売市場含む商店街が再開発事業として整備され、30階建ての高層マンションが建設される予定です。
今井議員は、「この商店街は昭和メトロな雰囲気を残しており、高齢者が安心して買い物できる場所として地域から愛されている。高層マンションはやめてほしいとの周辺住民の声も多い」また「駅近くにマンションを集中させれば子どもたちの教育環境が悪化する。垂水小学校は今でも運動場が基準より狭く、少人数学級との関係で教室数も不足する可能性がある」と追及。リノベーション計画を見直すよう求めました。
答弁ダイジェスト
今井議員:建設予定の高層マンション1・2階には商業床が計画されている。近くにはレバンテとウエステがあり、そこの商業床ではどちらも空き店舗が増えてきている。これ以上この地域に商業床必要ないのではないか。
手塚地域整備担当局長:全体の面積は現状の廉売市場の状況から大きく増えないと聞いている。どういう店舗が入るかは民間事業者の方で誘致活動すすめるべきもの。
今井議員:廉売市場は管理が行き届いておらず開いているお店もわずかだ。1・2階部分に廉売市場分を確保したと言われるが埋まるはずがない。周りにシャッター下りているお店があるのに、その場所に同じような計画たてて、民間事業者が店は来るんだと主観的にすすめている。市が市場調査など含めて調整するべきだ。