議会報告
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9月14日と15日に決算特別委員会がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団から森本真議員・山本じゅんじ議員・朝倉えつ子議員・林まさひと議員が局別審査に登壇しました。
「~第3次市営住宅マネジメント計画~
削減ありきの強引な計画やめ、住民参加ですすめる計画に転換を」
9月14日 建築住宅局審査より朝倉えつ子議員
質疑項目
1. 家賃補助制度の拡充について
2. 民間委託会社管理の市営住宅管理について
3. 福祉と連携した居住支援について
4. 市営住宅第3次マネジメント計画について
5. 解体する市営住宅の対策について久元市長は、将来の過度な財政負担を理由に、市営住宅を2020年度末、震災前水準の4万戸未満まで削減するという市営住宅第3次マネジメント計画を決めました。この計画は築40年以上のエレベーターのない住宅7,000戸以上を廃止しようとするものです。朝倉議員は「今住んでいる人たちが住み続けられるように必要な改修はきちんとおこなうべきだ」と厳しく指摘し、削減ありきの強引な計画は見直すよう質しました。
答弁ダイジェスト
松浦担当部長:周辺のエレベーターのある市営住宅に移転していただくことを基本として進めながらエレベーターをつけるとか、それが困難な場合には建て替えるという考え方で進めていきたい。
朝倉議員:北区の団地では、エレベーターがつくと、皆さん本当に大変喜んでいたが、資料を見ると、集約をして設置しない棟は廃止というふうに書かれていた。高齢者や障害のある入居者からは引っ越しなどとても無理だという声もあがっている。結局計画を神戸市の都合で上から押しつけているのではないか。住民に正確な情報を提供しながら住民参加で決めていくことが本当に大事だ。
松浦担当部長:我々は計画を押しつけるというつもりではなく、いろいろなご意見を聞きながら進めていきたいと思っている。事業が開始する段階になったら丁寧に対応していきたい。
朝倉議員:結局集約するのは戸数削減があるからだ。丁寧な対応と言うが、2次マネの後期に、今後再編住宅になるというお知らせが配られたが、そこから住民のみなさんは不安な中でこの数年間過ごしておられる。しかし1度も入居者の皆さんと話合いをしたことがないではないか。入居者の皆さんにしっかりと意向も要望も聞き、住民参加で計画は進めるべきだ。無理な転居を強要する戸数削減ありきのマネジメント計画は見直しをして、今住んでいる人たちが住み続けられるようにすべきだ。
「中小業者がコロナ禍乗り切れる支援を」
9月14日 経済観光局審査より林まさひと議員
質疑項目
1.中小企業への支援について
2.融資と事業転換支援について
3.産業育成路線について
神戸市はこれまで「中小業者にとって資金繰りが喫緊の課題」という認識で、中小業者への直接支援には背を向け、融資の条件緩和などで対応してきました。コロナ感染が猛威をふるい緊急事態宣言が続く中、先の見通しが立たず、中小業者はさらなる資金繰りを必要としています。しかし、今、保証協会も銀行も政策金融公庫も貸し渋りと言える状態になっており市内の中小業者が悲鳴をあげています。林議員は、中小企業に寄りそわない市の姿勢を厳しく質し、事業者が経営を継続できるような支援をすべきと求めました。
答弁ダイジェスト
林議員:市はこれまで「どんどん借りてください」という姿勢だったが、中小業者は今になって「赤字のところには貸さない」と言われ断られている。コロナ禍で経営が黒字に転じている事業者がどれほどあるのか。
豊永副局長:(なぜ貸さないかには答えず)資金需要は落ち着いてきている。融資の判断は金融機関がすることだ。
林議員:職員が訪問しているなら、銀行がなぜ貸さないのか聞いているはずだ。なぜ事業者に寄りそわず、声を聞かず、今になって梯子を外すようなことをするのか。
西尾局長:市の限られた財源の中で支援している。
林議員:中小企業は潰れても仕方がないと思っているかのような責任のない答弁だ。諦めずに頑張って継続してほしいという業者に伝え財源も確保して支援すべきだ。
「業務の効率化では市民のいのちは守れない」
9月15日 水道局審査より山本じゅんじ議員
質疑項目
1.組織の集約再編、職員の削減計画について
2.業務委託の拡大について
水道局は緊急経営改革として、現在、組織の集約、再編を進め、サービスセンターの統廃合や、さらなる職員の削減を計画しています。特にサービスセンターは、市民との大事な窓口であり、接点であります。サービスの低下は避けられないだけでなく、行き過ぎた合理化に緊急時の対応に様々な支障を来すのは、コロナ禍での保健所や医療機関の逼迫状況を見ても明らかです。山本議員は無理な合理化は職員にも大きな負担を強いることにもなり、市民サービスへの影響が生じる緊急経営改革は中止すべきと指摘してきました。これに伴い、サービスセンターは5か所から3か所へ。また、防災の点からも南海トラフ大地震など今後想定される大規模な災害時に、市民との接点である行政機関としての窓口であるセンターは非常に大事であるにも関わらず、お客様センターは中部庁舎に一本化されます。大規模な災害が起きたときに市民との窓口が一本化された状況では、アクセスが集中し、機能しなくなる可能性が十分あり得えます。様々な庁舎を統合すれば、市民との対応をはじめ、必要な対応が迅速にできるか保証はありません。
当局はサービスセンターを3か所に減らしても、緊急時対応拠点を2か所つくるので大丈夫だと言っていますが、山本議員が「緊急時の拠点は通常の時期の運用の在り方により、効果の度合いが変わってくる。日常時はどう運用するのか」と質すと局は「緊急時対応拠点というのは災害のときに開設し普段、職員はいない。日常的な緊急対応ということにつきましては、タブレットであるとか、そういったICTを利用した形で現状と同じレベルの危機対応が可能ではないか」との現実的対応を想定していない答弁でした。
答弁ダイジェスト
山本議員:実際に災害が起きたとき、(現地まで)移動しないといけない。そのときにICTで現場対応はすぐできるのか。実際にそこに職員が行って対応しない限りは機能しない。(だから)普段からどういう使い方をするのかと聞いてる。そうしたら、普段使うのは倉庫的な役割が中心だと。本当にそれで実際に大きな災害のときに機能するのか、見えてこない。
橋上担当部長:災害時には、初動段階では、職員が被害状況を確認のため現地に行くことになる。初動段階では現場に向けて出発して、被災状況等の情報を収集するまでの時間、この辺の短縮がポイントであると考えている。タブレット導入により、効率的な情報の収集、速やかな被害状況の把握が可能になる。阪神淡路大震災以降、道路事情も改善されており、これらのことを合わせて、災害時でも緊急時対応拠点をそのときに活用するという形で対応できる。
山本議員:初動という意味では、時間的な問題は一番大事だ。だから本当にきちんと判断されたのか非常に疑問だ。それから、もう1つは、危機管理センターから中部庁舎に今度移る。このことはこれまでの質疑の中でいろいろ言われてるが、震災の教訓からも本当に矛盾してる。
「神戸の文化芸術の灯を絶やさぬよう継続した支援決断を」
9月15日 文化スポーツ局審査より森本真議員
質疑項目
1.コロナ禍の文化・芸術支援について
2.図書館の教育委員会からの移管について
3.文化ホールのあり方について
1年半余りのコロナ禍で、現在も公演の中止や延期など、文化芸術に関わる多くの団体・個人が苦境に立たされています。文化芸術は人間が生きていく上で必要不可欠な糧です。しかし、今ほとんどの文化芸術への支援の募集が終了しています。森本議員は、何としても文化芸術の灯を消さないという文化芸術に携わる方々の思いに応え、自己資金がなくても活動を諦めなくてもいいよう、締め切りのない継続的な支援を求めました。
答弁ダイジェスト
加藤局長:常にその時々の意見を伺いながら必要な施策を打っている。確かに今、募集中のものは一旦切れているが、さらにコロナの今後の状況を見ながら引き続きアーティスト等の支援をおこなっていきたい。
森本議員:必要な時に色々な手だてを取ってほしいというアーティストの方々の切実な声を多く聞いてきた。支援策はあっても、先に自己負担が必要だ。若い人達は自己負担などできない。先にお金を出してくれるような施策も必要だ。
宮道副局長:事業によっては半金を事前に渡しているものもある。
森本議員:国の制度も含めて自己資金がないと動けないというのは問題だ。神戸で文化芸術活動を頑張っている人達が諦めずに継続できるように県とも協力して支援の幅を広げるべきだ。