議会報告

  • 2022年02月25日
    本会議 予算・決算

    新自由主義的政策は転換し、やさしく力強い神戸経済へ

    2月25日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市議団の味口としゆき議員が登壇し代表質疑をおこないました。

    質疑項目
    1.やさしく強い神戸経済への転換について
    2.王子公園・動物園の再整備ついて
    3.神戸市の脱炭素対策について

     新型コロナウイルスの急拡大で、市民の暮らしと営業は深刻です。新型コロナから命とくらしを守ることは、今議会の最優先の課題です。しかし予算案は、都心・三宮の再整備に178億円、大阪湾岸道西伸事業に42億円、国際コンテナ戦略港湾に107億円などコロナ以前の大型開発を強行するものとなっています。大型開発と呼び込み偏重では「力強い神戸経済を創る」どころか、10年連続の人口減少にみられるように、足腰の弱い神戸となっています。味口議員は、大型開発をすすめ「民間事業者の活動が思う存分に展開できればよい」という新自由主義的政策の転換を求めました。

    答弁ダイジェスト

     久元市長:新自由主義を標榜も称揚したこともない。新自由主義というレッテル貼りに強い違和感と恐ろしさを感じる。
     味口議員:自覚も反省もないことが逆に恐ろしい。市長が国の官僚時代に指定管理者制度をつくり、市長になってからも三宮再開発など、すべてを民間に委ねるという新自由主義的政策を続けている。岸田総理は新自由主義的政策からの転換の必要性を訴えているが、市長には自覚がないのか。
     久元市長:民間事業者の発想や知恵を導入しようとするもの。皆さんの賛同をいただいている。
     味口議員:行政の施設を民間に明け渡して儲けさせる。一方では限られた予算ということで様々な市民サービスを削減する。これこそが新自由主義だ。経済も人口減少の問題も前にすすんでいないという認識はないのか。
     久元市長:人口減少は全国的トレンドだ。三宮に集中投資をしているという指摘は全く当たらない。
     味口議員:人口減少や国の成長が止まっていることは自然現象ではない。岸田総理は新自由主義打開の展望は全く示してないが、市長が自覚も見識もないのでは、持続的な神戸の発展はない。
     久元市長:私は岸田総理の考え方に違和感はない。国の動向を注視したい。
     味口議員:国の動向を注視するだけではなく、今後の神戸の持続的な経済の発展を見据えて、新自由主義的な施策とは何であるのか、そして自分の施策がどう表れているのかしっかり分析し、転換すべきだ。

     


    王子公園再整備計画
    廃止・削減ありきでなく、市民や利用者の声に寄りそった再整備を!

     「王子公園再整備基本方針(素案)」には、市民から1456通(5632件)、市外の方からも892通の意見が寄せられました。「わたしから神戸市への提案」にも1026通の意見が寄せられています。久元市長も認めたように、圧倒的多数は再整備方針に異議を訴えるものでした。これだけの意見が寄せられているのに、神戸市は「大学誘致の必要性について、丁寧に説明をしたい」などと、考え方を一切変えようとしていません。味口議員は、大学誘致ありきで市民が大切にしてきた遊園地やプール、テニスコート、サブグラウンドを廃止する計画は許されないと質しました。

    答弁ダイジェスト

     今西副市長:大学誘致の目的について十分な理解を求め、廃止せざるを得ない施設は代替性や他の機能での補完を検討したい。
     味口議員:代替性や機能の補完という考えは、廃止・縮小という考えを全く変えないもの。公共施設は市長のものなのか。
     久元市長:公共施設は市民のものだが、設置・管理は神戸市の仕事だ。唐突ではなく選挙公約にも、王子公園の再整備を掲げている。
     味口議員:老朽化は設置管理者である神戸市が手立てを打ってこなかったからだ。選挙公約には廃止について一言もない。市民の声を聞かず、市長の思惑を優先させるのか。まさに市長の民主主義の感覚が問われる。
     久元市長:何のために議員をやっているのか。市民意見募集で自動的にものが決まることが民主主義とは思わない。最終的に議会で議論し決定する。これが民主主義だ。
     味口議員:何のために市長をしているのか。予算編成の権利は市長にしかない。この王子動物園を当初の大学誘致ありきですすめるのは独善だ。

     


    脱炭素に真剣に臨むなら石炭火力発電所稼働はやめよと神鋼に迫れ!!

     神戸製鋼所(神鋼)は、灘区で新設石炭火力発電所3号機の営業運転を開始しました。3号機によって、年間346万トンのCO2の排出増加が見込まれます。COP26では、気温上昇を1.5℃に抑える努力目標追求の決意を確認し、2030年までを「勝負の10年」として気候変動対策を呼びかけました。そのために、石炭火力をフェーズダウン(漸減)することが決議されました。今回の営業運転は、脱炭素社会の実現に大きく逆行します。味口議員は、市長が「地球温暖化対策には強い決意をもって取り組む」としたのなら、石炭火力発電所稼働はやめよと神鋼に求めるべきと、市長の決意を求めました。

    答弁ダイジェスト

     今西副市長:3号機は最新鋭の発電技術を導入した石炭火力発電だ。神鋼にはさらに厳しい汚染物質の協定値を設定し、アンモニア混焼率拡大や専焼が実現されるよう働きかけ、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指したい。
     味口議員:アンモニア混焼は、日本が化石賞を受賞した理由だ。再生エネルギー事業や、技術を尽くしてもっと未来が見える事業へ転換するべきと神鋼に求めるべきだ。
     今西副市長:神鋼が再生可能エネルギーに取り組むことは望ましいが、神戸には火力発電所があるから、今はアンモニア混焼を実現しCO2削減をすることが重要な取り組みだ。
     味口議員:灘区にお住まいの方にとって公害問題に苦しめられてきた記憶の残影は切り捨てることはできない。強い決意と言いながら、神鋼に何もものを言わないという姿勢は改めるべきだ。

ページの先頭へ戻る