議会報告
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神戸市予算特別委員会が3月16日にひらかれました。西ただす議員が登壇し、2022年度神戸市各会計予算案並びに予算関連議案について反対の理由を述べました。
①コロナ禍のもとで市民の命と暮らしを守るものになっていないから
新型コロナウイルス感染症対策において、自宅療養者への健康観察を原則中止し、濃厚接触者や、学校・保育園の健康観察者への検査を中止するなど対策を弱め、感染拡大に拍車をかけました。医師・保健師の増員、PCR検査体制の強化に背を向けています。
苦しむ事業者への直接支援についても、「国・県の取り組みによって一定の支援がなされている」などとして、新たな独自支援を拒み続けています。
②社会保障を拡充し、子育て・教育の負担を軽減するものになっていないから
国民健康保険料を値上げし、介護保険料負担軽減の願いに背を向けています。また他都市に例のない住民税超過課税も継続させています。一方で、選挙公約であったこども医療費の無料化については、いまだに実現していません。少人数学級の前倒し実施や、自校調理による中学校給食実現についても背を向け続けています。
③公共の施設を統廃合し、公務労働を低賃金と非正規・民間委託に置き換え、公的責任を後退させているから
行財政改革方針2025にもとづき、低賃金非正規の任期付き職員や民間委託を進め、さらに学校・消防・水道・区役所などで116人もの職員を削減しようとしています。
公共施設等総合管理計画にもとづき、王子公園のスポーツ施設の廃止や、小中学校のプールや給食室の廃止、市営住宅の削減など、市民の財産である公共施設の削減を進めています。
④大型開発・呼び込み施策に偏重し、いま神戸で住み働いている市民や事業者の願いに応えていないから
都心・三宮の再整備に178億円、大阪湾岸道路西伸事業に42億円、国際コンテナ戦略港湾に107億円などコロナ以前の大型開発を強行しています。
王子公園再整備・駅前再開発・新たな産業団地など、過大な経済効果をうたい、呼び込み施策に偏重しています。
⑤気候危機打開やジェンダー平等の実現に積極的に取り組む姿勢が無いから
脱炭素社会を掲げながら神戸製鋼が進める石炭火力発電所の停止を求めようとしません。
ジェンダー平等を正面から掲げることもせず、働く女性の待遇改善、市バスや地下鉄での痴漢防止、パートナーシップ制度導入など積極的な姿勢はありません。
久元市長は、市場原理に委ねて、公的な役割を大きく後退させる「新自由主義的な政策」を推進しながら、そのことへの自覚も反省もありません。基礎自治体の役割は「住民福祉の増進」です。国の言いなりではなく、国の悪政の防波堤の役割を果たすことが求められています。
以上反対の理由を申し上げました。
また、日本共産党市会議員団が提案した予算の編成替えを求める動議は、市長提案の予算から三宮再整備や、大阪湾岸道路西伸事業などの大型開発等不要不急の施策を削減するとともに、財政調整基金を活用することで財源対策を行っています。それによりコロナの影響で苦闘する中小企業、医療機関への支援や市民の暮らし応援、 35 人学級の小中学校での実施や、子どもの医療費の無料化など市民の願いに応える提案となっていることを申し添えておきます。