議会報告

  • 2022年09月15日
    本会議

    コロナ第7波・物価高騰 国の政策待たず、苦しみ続ける市民のために市独自の直接支援を!

     9月14日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市議団を代表して森本真議員が議案質疑に立ちました。この度の補正予算案は新型コロナウイルス感染症対策として「引き続き、医療供給体制の安定的な確保を図っていく」とともに「コロナ禍における原油価格・物価高騰等に直面する市民等の負担軽減を図る」ための予算としています。森本真議員は、市民のいのちを守るコロナ対策や物価高騰で苦しみ続ける市民の対策として直接応援する施策が無いとして、抜本的な拡充を求めました。


    質疑項目
    1.コロナ禍における原油価格・物価高騰等に直面する市民等の負担軽減策について
    2.第7波の経験を踏まえた新型コロナウイルス感染防止対策の強化について
    (1)第7波の経験を踏まえたコロナ対策の強化について
    (2)発熱外来、診察できる体制を


    神戸市独自の直接支援で学校給食の無償化を

     補正予算案では、子ども食堂などで食料品・生活支援情報を提供するNPO法人等への支援など、1000万円が計上されていますが、他都市がおこなっているような学校給食の値下げや無償化など、子育て世帯への直接支援を神戸市はおこなおうとしていません。森本議員は、子どもや食の支援を考えているなら、NPO任せにするのではなく、神戸市が直接支援の手をさしのべるべきと質しました。

     

    答弁ダイジェスト

     小原副市長:今般の原油価格・物価高騰によって日々の消費生活の中でいずれの世帯においても負担が増えている状況の中、子育て世帯への食支援(子ども食堂)の利用世帯数は、事業開始当初のひと月当たりのべ2000世帯から令和4年7月にはのべ3000世帯と大幅に利用世帯数が増加している。今回9月補正予算において食料品、生活支援情報を提供するNPO法人等への支援を拡充する。
     森本議員:物価高騰がすすむなか、電気・ガスと食料品など上がっているが、本当に困っている皆さんに支援が渡っているのか。子ども食堂は間接支援なので、そこに行かないと支援が受けられない。文部科学省は、9月9日、急激な物価高騰を受け、全国で8割を越える(83%)の自治体で、地方創生臨時交付金等を活用して、学校給食費の保護者負担軽減に取り組んでいるとの調査結果を公表した。多くの子ども達をもつ保護者に対して生活支援をできるものだ。神戸市も学校給食の無償化こそ取り組むべきだ。
     今西副市長:物価高や円高の影響や、企業の業種や規模によって異なり、それによって市民生活への影響の度合いも異なる。国は特に家計の影響が大きい低所得世帯への給付金を決定した。神戸市も国の考えを踏まえ、すべての企業や市民を対象とした一律の給付、あるいは減免ではなく、極めて厳しい影響を受ける子育て世帯や生活困窮世帯に食料品の提供や生活支援をおこなうための予算を計上した。秋の臨時国会の二次補正予算編成を踏まえ、国の施策を補完する必要な支援策は検討していく。
     森本議員:いま困っているのは非課税世帯だけではない。国の経済対策の額がまだ決まっていないので何もできないではなくて、他都市のように一般会計を使いながら、給食費の無償化や水道料金の減免など市民生活を助ける取り組みをおこなうべきだ。


    医療体制を抜本強化し、救急搬送出来ない事案をなくせ

     コロナ第7波では、新規感染者で日本が世界最多となるなど、神戸市でも8月8日に一日あたり過去最高の4848名の感染者を更新し、現在の高止まり状況でも、9月7日現在、入院250名、宿泊療養200名、自宅療養1万1500名、療養先調整中2500名で、約1万5000名の市民がコロナと闘っています。死亡者の累計が1100名を越えるなど厳しい状況が続いています。特に第7波では、発熱しても検査や診察が受けられないと多くの市民が悲痛な声をあげています。森本議員は「国は自宅等の療養期間を短縮する方針や感染者の全数把握の見直し・報告の簡略など、感染が爆発的に拡大するなかで対策をゆるめる方針を打ち出しているが、市民のいのちを守るためには、対策の強化こそ必要だ」と指摘し、第7波の経験を踏まえたコロナ対策の強化を求めました。

     

    答弁ダイジェスト

     小原副市長:第7波において自宅療養者で亡くなられた方は二人。健康観察の中で病状が急速に変化し亡くなった。今回救急がひっ迫してきたのは、医療体制・医療機関の数の問題と患者発生数とのバランスで、急激に患者数が増え、救急搬送の数も増えてひっ迫したと考えている。
     森本議員:救急車を2回、3回と要請したにも関わらず、救急車に乗れず入院もできずに自宅で死亡確認されている。搬送要請522件、そのうち搬送者数257名、不搬送者数265名。実に半数以上が救急車を呼んでも搬送されなかった。しかも現場で30分以上滞在した行き場がなかった件数が150件。全体の3割近くもある。要請数が増えたから対応できなかったのではなく、搬送・診察ができるようにすることが、「医療供給体制の安定的確保」で大切ではないか。


    発熱外来、往診など医師が直接検査・診療できる体制づくりを

     第7波では、発熱があり検査を受けるために発熱外来に電話をかけても電話がつながらない、電話にでてもいっぱいで受診できない、発熱外来の一部では試薬がないなどの状況が多数報告されています。その中で神戸市が出した方針は、コロナの疑いがある基礎疾患のない6歳から59歳までの市民に対して、受診しないように告知をしました。森本議員は、本末転倒だと厳しく質し、発熱はコロナだけではないが疑われれば、安心して検査・受診できる体制をつくるべきだと追及しました。

     

    答弁ダイジェスト

     森本議員:調子の悪い方、病気になった方に対して、病院にこないでくださいなど、行政が告知した例は、過去にない。いつでもどこでも誰でも、皆保険で病院にかかれるのが、日本の医療制度の良い点だ。日曜祝日にも対応できる発熱外来を、医師会などと協力して作るべきだ。
     小原副市長:発熱外来の体制強化は、引き続き働きかけをおこなっていくが、オンライン確認センターで検査キットを送って陽性がでれば、医師が電話で診察判断する運営もおこなっている。
     森本議員:検査キットもすぐに届かない。さらに救急車を呼んでも搬送出来ない事例が多く出される。救急車を呼んでも半数近くは搬送されず診療が受けられず自宅待機という事態だ。医師の往診など、安心してちゃんと受診してもらえるような体制をつくべきだ。

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