議会報告
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9月22日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市議団の味口としゆき議員が登壇し代表質疑をおこないました。
味口議員は、コロナ・物価高対策、大学誘致ありきの王子公園再整備の撤回や、統一協会と政治の癒着の根絶、都心・駅前再開発による学校の過密問題、正規教職員の増と担任未配置の速やかな解消について、久元市長らの見解を質しました。
質疑項目
1.王子公園・王子動物園再整備計画について
3.政治と統一協会との癒着の是正について
2.コロナ禍、物価高騰等から暮らしと営業を守るための神戸市独自の支援策について
4.正規教職員の抜本増と担任未配置問題について
5.都心三宮・駅前再開発と学校の過密化について
9月に神戸市が出した王子公園再整備基本方針(修正素案)は、大学はいらないという市民の声は全く考慮されず、プール・相撲場の廃止、テニスコート・グラウンドを縮小する方針は変えず、大学誘致に固執するものとなっています。味口議員は「この計画は、動物園を(他区に)移動させて大学誘致することから始まったが、移動できず大学誘致の想いだけが残った。市長のトップダウンで進める計画は撤回し、王子公園・動物園の充実を進めるべき」と質しました。答弁ダイジェスト
味口議員:市長は神戸登山研修所について「現状のまま残す」と関係者に言ったそうだが、結局は移転され、さらに動物福祉と言いながら、王子動物園の面積は広くならない。
久元市長:研修所は最初の段階では残すことにしていたが、施設を再配置することになったときに、今のまま残すことはできないので、新しい研修所を別のところに作ることにした。事実と違うことは言っていない。
油井副市長:動物園は現在の面積でも工夫をすればできる。
味口議員:現状のまま残すと約束しながら大学誘致が最優先にされ、市民の大切な施設は移動させたり、工夫で済ませる。この姿勢は改めるべきだ。6月から2か月に渡っておこなわれた意見交換会は何のために開いたのか。
油井副市長:計画案に対するご理解・周知のためにやらせていただいた。
味口議員:「見直し」から「周知徹底のため」とすり替えているではないか。見直しのために市民の意見を聞いている最中に、市長はなぜ「大学誘致は決してあきらめない」などと発言したのか。市民がいくら意見を出そうとも変えられないではないか。これでは民主主義ではない。
久元市長:これ(大学誘致)は一貫した方針だ。賛成反対意見を自由に言えるのが民主主義だ。大学誘致にはメリットこそあれ、デメリットはない。
味口議員:大学誘致ありきで、プールが廃止、テニスコートなど一連のスポーツ施設が縮小、肝心の動物園は大きくならない。デメリットがないなどとよく言えたものだ。パブリックコメントで市民の皆さんの意見をよく聞いて反映すべきだ。署名活動も引き続き取り組んでいます!
↑↑署名用紙はこちらをご使用ください
国保滞納 統一協会 教員・学校不足
久元神戸市政のゆがみを正面から追及!久元市長は、食料品や光熱水費の高騰が幅広い市民の生活に影響を与えていると認めながら「国の政策を待つ」とし「一律の給付や減免は適切ではない」と、市民のくらし応援に背を向けています。味口議員は、市民のくらし、自営業者の営業を守るため、国民健康保険料(以下「国保料」)や介護保険料の引き下げなど、神戸市独自の支援策を求めました。さらに、コロナ・物価高で生活が破綻し、自己破産した市民に対してまで、国保料の強引な取り立てがおこなわれていることを厳しく批判し、困っている市民にこそ寄り添うべきと質しました。
答弁ダイジェスト
小原副市長:物価高騰等は、国の支援政策で対応するものだ。
味口議員:皆さんの実情を考えると、高すぎる国保料、介護保険料を市独自で減免するなど、真剣な対策が必要だ。今苦しんでいる市民の皆さん、自営業者の皆さんに光が見えるような支援をすべきだ。また、長引くコロナと物価高で自己破産した方に聞いた話では、滞納している130万円の国保料を4か月で返せと言われたそうだ。とても払えない額なので「上の人を出して」と言ったら「上はもっと取り立てる」と。全く実情を踏まえていないやり方が起こっているのは承知しているのか。
小原副市長:そのような事例は今初めて聞いた。
味口議員:6月に出された市税滞納整理方針では「最小の経費で最大の効果を上げるため比較的高額な案件を優先し、早期の差し押さえを中心とした整理を行う。滞納相談には応じるが、こちらから交渉を求める必要はない」と記載されている。改めるべきだ。
今西副市長:問答無用で相手の事情を考えずにやっていることは決してない。
味口議員:その方が自立できるように援助するのが本来の自治体の仕事だ。同時に、これだけ滞納者がいる背景には、国保料や介護保険料が高過ぎる問題がある。是正を強く求める。
統一協会問題
神戸市・自民党との深い癒着が明らかに
自民党の河南ただかず幹事長、岡田ゆうじ議員、松本しゅうじ議員のあっせんで統一協会関連団体へのイベント参加や、寄付・助成行為が明らかになりました。会見で市長は、議員の名を伏せ、関連団体に市長の名で感謝状まで渡しています。味口議員は、集会への行政の代表参加や感謝状などを通じて、統一協会が意図的に宣伝することで、新たな被害者を生み出していると指摘しました。あわせて、統一協会によって、行政が歪められている事例として、同性パートナーシップ制度導入への妨害があります。政令市で導入していないのは神戸市を含め3市だけです。味口議員は、統一協会に毅然とした対応を取り、パートナーシップ制度導入に踏み切るべきだとしました。
答弁ダイジェスト
味口議員:なぜ感謝状のことを伏せたのか。どんな団体でも調べずに寄付を受け取るのか。
久元市長:隠したということはない。寄付をもらえば感謝状を出すのは通例のことだ。
小原副市長:どこまで受け取るかという基準がなく、線引きが難しい。
味口議員:神戸市政治倫理綱領では「市民から信託を受けた議員及び市長の責務を明らかにする」として「政治的又は道義的な批判を受けるおそれのある寄付を受けないこと」と基準は示されている。
小原副市長:今後は統一協会や関連団体からの寄付等にはお断りし、それ以外でも団体の状況確認等に努め、慎重かつ適正に対処する。
味口議員:議員がイベントに参加したり、発言したことを最大限に利用し、市民を安心させて被害を広げている。また、今回寄付をした関連団体は、SDGsの推進を掲げているが、統一協会そのものは、SDGsとは真逆の組織だ。富山市では、統一協会の人が講師として呼ばれ、パートナーシップ制度はふさわしくないという学習会が開かれ、制度が成就しなかった実例がある。今こそきっぱりと団体と手を切り、制度導入の旗振りをすべきだ。
久元市長:統一協会の問題と全く違う質問だ。議会の論議も踏まえて検討したい。
正規教職員不足のしわ寄せが障がい児学級に
日本共産党神戸市会議員団は、少人数学級の前倒し実施を求め、正規教職員の抜本的増員を繰り返し求めてきましたが、教育委員会はこの願いに背を向けてきました。その結果、今年度は年度初めから18校で19人の担任の未配置があり、その後も未配置が広がっています。児童・生徒への影響は大きく「特別支援学級で配置されていないことはあり得ない」などの声が寄せられています。味口議員は、正規教員を増やさず、非常勤教員で代替させるやり方は改めるべきと質しました。
答弁ダイジェスト
長田教育長:特別支援学級に影響があるという報告は受けていない。全国的な教員不足の影響が本市にも及んでいる。
味口議員:全国的な問題ではない。委員会で高田事務局長は「正規職員だけいきなり人数を増やすと、年齢構成がいびつになる」と答弁した。現場では正規雇用に背を向けているではないか。
長田教育長:私自身はそのような認識はない。今後の動向も踏まえながら、これまで以上に正規教員を確保していく。
味口議員:障がい者の子どもを泣かせるような学校現場の状況を変えていくため、積極的に正規教員を増やし、教育に予算を配分すべきだ。
久元市長:教育委員会とよく相談し、話を聞いて対応したい。