議会報告

  • 2022年12月05日
    本会議

    神戸空港の国際化工事に市税600億円の投入やめよ!

     

     11月28日に神戸市会本会議が開会しました。日本共産党神戸市会議員団を代表して大かわら鈴子議員が議案質疑に立ちました。この度上程された議案のうち、神戸空港の国際化・発着枠の拡大にむけての空港整備事業の特別会計の設置、新型コロナウイルス感染症対策の強化に対する補正予算、新たに垂水区に整備される学校給食センターについて久元市長らの見解を求めました。

    質疑項目
    1.空港整備事業の特別会計の設置について
    2.受診抑制がないよう医療・保健体制の充実と検査体制の強化について
    3.給食センター中心の中学校給食推進の在り方について

     この度上程された議案で、神戸市は神戸市特別会計設置条例に空港整備事業費を追加する条例改正案を提出しました。空港整備事業については、空港運営の収入や、借入金の返済等を管理してきた特別会計を2018年4月に廃止し、港湾事業会計に統合されました。補正予算議案には空港基本施設工事約143億円の債務負担行為が提案され、そのうち一般財源・航空機燃料譲与税を充て、さらに市債17億円を発行するとしています。大かわら議員は、空港事業に市税は投入しないという1998年の市会決議を反故にして国際化・発着枠拡大のための整備事業に市税・一般財源を投入することについて質しました。

    答弁ダイジェスト

     久元市長:コンセッション(所有権を市が保有したまま民間へ売却)の開始にともない、空港整備事業費会計は廃止したが、神戸空港をめぐる状況は大きく変わった。特別会計の設置によって整備費や財源を明確にし、皆さんによりわかりやすく丁寧に示すことが必要だ。
     大かわら議員:600億円もの事業費に対し投入される一般財源は、燃料譲与税と起債に関する地方交付税とに限定するのか。他のものを投入するなら決議違反だ。
     油井副市長:限定はしないが、議会の議決に基づいて財源の確保につとめたい。空港建設に市税を一切投入しない決議は順守している。
     大かわら議員:これから神戸空港に一般財源すなわち市税を投入するなら、市長の「民営化後も変わらない」との約束は反故にするのか。
     久元市長:過去のブログで言っただけだ。今後は議会の議論をふまえておこなう。
     大かわら議員:阪神大震災で多くの市民が命を失い、家も家財も失った中で、30万人を超える市民の皆さんが「空港よりも住宅を」と声をあげた。当時の市長は「空港事業は別の財布で」「市税は使わない」「市民に負担をかけない」と約束した経緯がある。しかし、これから数百億という莫大な国際化事業のために、市民との約束や決議を反故にし、市民負担に転嫁するなど絶対にあってはならない。


    コロナ抑え込みは、いつでも誰でも検査できることと、受診抑制のないよう医療・保健体制強化で

     このたびの補正予算案では、新型コロナ感染症対策として、2億円が計上されており新型コロナウイルス感染症を疑う症状のある時に使用するための備蓄用に、新型コロナ抗原定性検査キットが中学校・高等学校の生徒の方へ無償配布されます。日本共産党神戸市会議員団は、無症状感染者の早期発見とクラスター防止のために、学校、保育所等での定期頻回のPCR検査を求めてきました。しかし今回の施策のもとになっている方針は、インフルエンザとコロナの同時流行で医療現場がひっ迫するので、発熱外来の受診患者をいかに減らすかが目的となっています。大かわら議員は「これでは受診抑制を招きかねない。これまでの3年あまりのコロナの経験からみても、早期発見、早期治療が重要であり、そのためにはコロナとインフルエンザ、その他の発熱の診断ができる発熱外来の拡充こそ求められている」と追及しました。

    答弁ダイジェスト

     大かわら議員:第7波では感染者数が過去最多を更新し続け、自宅療養中に亡くなられた方が2名、高齢者施設で療養中に亡くなられた方は60人にものぼる。コロナとインフルエンザの同時流行が心配なら、受診できる医療機関を増やし、受診抑制を防ぐ対策こそ強化すべきだ。
     小原副市長:重症化リスクの低い方への検査負荷の軽減をはかり、重症化リスクの高い方への医療を集中させる対策だ。
     大かわら議員:茨城県では第8波に備え、より多くの方に適切な医療を提供するために、発熱外来の拡充と臨時の医療施設の設置に取り組んでいる。このような取り組みこそ必要ではないのか。
     小原副市長:検査キットを活用して自主的に療養いただく方についても体制を強化している。オンラインで確認された方の8割は登録いただいている。
     大かわら議員:オンライン登録で実際に症状が把握できるのかと本当に心配だ。必要な方がきちんと医療を受けられる体制が必要だ。同時に病院だけではなく、保健所体制の強化も含めてしっかりと対応していただきたい。


    中学校給食は子どもの安心・安全からも自校調理で実施を

     神戸市は、新たに垂水区に給食センターの整備をすすめています。多くの市民や保護者は、安心・安全であり、食育をすすめる上で、小学校と同じ自校調理方式や親子調理方式の中学校給食の実現を望んでいます。大かわら議員は、センター方式ではなく、自校調理方式を中心にした中学校給食をすすめるべきと強く求めました。

     

    答弁ダイジェスト

     長田教育長:中学校全校の調査で、学校生活に影響を与えず敷地内に給食室を整備できる学校は2校だったので、自校調理方式は検討対象から除外した。
     大かわら議員:第一給食センターは、垂水区の西舞子小学校の隣につくられるのに、この小学校の給食は、西区に整備される給食センターから配送されるという矛盾が、先の委員会で明らかになった。また、垂水区に整備される給食センターには、40台以上の車両が出入りし、低学年の下校時間と重なる可能性があることを教育委員会も認めた。これらの問題は改善されたのか。
     長田教育長:西舞子小学校の給食を隣から運んでくればいいのにというご意見・疑問は理解しているが、中学校給食の調理機能以上の確保ができず、小学校と中学校の献立が異なるので、合わせて調理することは困難だ。配送については、午後の回収の1台のみ15時頃戻ってくるが、安全確保は最大限配慮する。
     大かわら議員:問題は解決していないのになぜすすめられているのか。パブリックコメントがおこなわれているのだから、市民の意見を聞いて判断すべきだ。
     長田教育長:市民の声も十分参考にして、必要であればこの整備計画を改定していく。
     大かわら議員:104億円もの巨額なお金を投入して整備するのだから、コスト優先で安全面だけでなく、様々な問題が解決されていないまますすめるべきではない。保護者や子どもたちが願う、最善の自校調理方式で提供することを正面にすえるべきだ。

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