議会報告

  • 2023年02月28日
    予算・決算

    予算特別委員会から

    2月21日 「定年延長で若手職員の採用に影響がないように調整を」

    行財政局審査で森本真議員

    質疑項目

    1.旧統一教会関連団体への助成と要綱の見直しについて

    2.王子公園の再整備の契約方式について

    3.マイナンバーカードの取得について

    4.会計年度任用職員の処遇改善について

    5.指定管理者制度について

    6.定年延長と新規職員採用との関係について

    7.区役所窓口業務の民間委託について

    8.男女賃金格差の実態把握について

    9.ひょうご女性活躍推進企業(ひょうごミモザ企業)認定制度について

    10.職員数の削減について

    11.各局予算の査定について

     

     2023年4月より、現在60歳定年の職員が2年ごとに1歳ずつ引き上げられます。森本議員は、この定年延長によって若手の新規職員採用に影響を及ぼさないようにすべきと求めました。堀米行財政局副局長は「一般的に退職者数に見合う形の新規職員を採用してきたが、今後の定年延長で退職者数が大きく変わることになるので、毎年毎年調整していきたい」と答弁しました。


    2月21日 「烏原貯水池ー利用者の声を聞いて安心して楽しめるよう整備を」

    水道局審査で大かわら鈴子議員

    質疑項目

    1.水道料金の減免について

    2.緊急経営計画での職員削減について

    3.烏原貯水池の再整備について

     

     兵庫区にある烏原貯水池はダムによってできた人口湖で、周りは「水と森の回遊路」として整備され地域の人たちの憩いの場となっています。朝のラジオ体操や遊歩道の散歩、野鳥、植物、樹木の観察など高齢の方から子どもまで様々な年齢の人が楽しまれている貴重な場所ですが、2カ所のトイレが全て和式のため、利用者からは利用しにくいとの声があがっています。大かわら議員は利用者の声を紹介、トイレを洋式化するよう求めました。また車いすの方も誰でも安心して楽しめるようバリアフリー化、樹木や野鳥などのプレート設置などの再整備も求めました。

    答弁ダイジェスト

    坂田担当部長:バリアフリー化は傾斜の緩いスロープを取り付けるなど非常に大きな改造工事がいる。現地点では計画にはない。

    大かわら議員:階段2カ所のスロープだけなのでそんなに大がかりではない。誰もが楽しめるように考えていただきたい。トイレは現在和式しかない。公園トイレの洋式化は7割完成している。小学校も洋式が当たり前になっている今、ぜひ洋式化を。また飛来してくる水鳥の特徴や名前、樹木の名前など以前は看板があった。子どもたちの自然の学習にもつながるので再度プレートの設置を。

    坂田担当部長:トイレの洋式化は時代の流れで、地域のみなさんが望まれている。今改修時期について検討しているところ。来年度以降考えていきたい。バリアフリー化は難しい。プレートは建設局と相談して設置場所について検討していきたい。


    2月22日 「信憑性のない予測で強行する空港整備やめよ」

    港湾局審査で松本のり子議員

    質疑項目

    1.国際コンテナ戦略港湾について

    2.港湾施設における太陽光発電の導入について

    3.京橋地区の埋立てについて

    4.神戸空港の機能強化について

     

     神戸空港は、建設当時から過大な需要予測が問題となっていました。神戸市は、開港時319万人、開港10年で434万人もの利用客との需要予測を立てました。しかし、コロナ前でも1度もこれは到達していません。今回の国際線を含む機能強化や容量拡大の根拠とされている需要予測は700万人となっています。前回の需要予測と同じ手法であり信憑性に欠ける過大な予測です。このような状況で港湾事業会計からの貸付金でサブターミナルや駐車場の整備がなされようとしています。神戸市は、サブターミナルと駐車場から発生する収入で貸付金は確実に償還できるとしていますが、本当にそれは疑問です。松本議員は、航空会社が来るかどうかも分からない新都市整備事業会計からの貸付金もまだ残っている中で、この国際化の整備は進めるべきではないと質しました。

    答弁ダイジェスト

    小沢副局長:神戸市と関西エアポートが分析・評価して算出したもの。それぞれの予測結果が符合しいることから妥当である。サブターミナル駐車場の整備費用は、空港施設利用料と入居者の賃料などで償却をおこなっていく。

    松本議員:神戸空港をつくる時もアメリカのコンサル会社が出した需要予測だから大丈夫だと言っていた。同じことを繰り返さないでほしい。新地下鉄構想の調査費や案は港湾局が出しているのか。

    長谷川局長:地下鉄の件は私共一切関与していない。調査費も港湾局ではない。

    松本議員:港湾局で議論していないのか。

    長谷川局長:何も議論はしていないので、答えるつもりはない。

    松本議員:大きな問題であるのに局の長が答えないのは、あまりにも無責任だ。地下鉄の予算を港湾事業会計から出すのであれば絶対に反対だ。港湾事業会計は摩耶埠頭や六甲アイランドの売却やリースなどで成り立っている。これは港で働く人たちや市民のためのものだ。


    2月22日 「国追随のデジタル化―解決すべき課題が多く見切り発車はやめよ」

    企画調整局審査で山本じゅんじ議員

    質疑項目

    1.基幹系業務システムの標準化(ガバメントクラウド)について

    2.神戸医療産業都市推進機構への支援内容について

    3.神戸空港へのアクセスについて

    4.王子公園の再整備について―森本真議員

    5.子ども医療費の無償化について―森本真議員

     

     国と自治体の情報システムの共同化・集約化は、デジタル改革関連法の1つである自治体情報システム標準化法によって規定をされていますが、二重業務が対象となっています。これを2025年度までにガバメントクラウドに移行することが決められており、神戸市でも先行事業として応募し、採択されるなど、率先して進められています。しかし、それによって各自治体独自の個性的な施策をしようとしても、それに合わせたカスタマイズが事実上できないようになるのではないかとの指摘もされています。山本議員は「今後ガバメントクラウドを推進することで神戸市の業務にとって不都合なことはないのか、また市民にとってどういう影響が考えられるのか」と追及しました。

    答弁ダイジェスト

    正木担当局長:令和7年度末までに国が整備するクラウドを活用することが求められている。例えば国保料システムの標準仕様書では、各地方公共団体が保育料の減免率、減免額を任意でパラメータ設定できるということが提起されている。

    山本議員:標準仕様書に関してもまだまだ更新されているような状態で、確定したものがない。国保だけではなく、子育て支援や就学援助、児童手当や国民年金、障害者福祉等々、特にその市民生活に関わる部分で、それぞれの自治体によって上乗せ、横出しが非常に多い部分がある。そのパラメータ設定をその1つ1つに合わせていけばとても膨大な量で標準化になじむのかという不安がある。今現状の様々な施策がきちんと反映されるのか、今後その新たな上乗せ、横出しができた場合に、それをきちんと反映させることが可能なのか。

    正木担当局長:最終的に本市としてどのように影響があり、どのような判断が必要になるかは、その各分野の標準仕様書が固まっていってから判断せざるを得ない。

    山本議員:法律の第8条2項の捉え方次第では、地方公共団体がカスタマイズできるのは必要最小限度になりかねないと危惧する。

    正木担当局長:カスタマイズは、パラメータ設定で対応するものと、その外に独自システムを構築しAPI連携するというもの。この2つの方法で、独自施策の上乗せ横出しも実現できるようにしたい。

    山本議員:パラメータと独自システムは実際運用すると、費用はどれくらいかかるのか。

    正木担当局長:現段階ではわからない。

    山本議員:せっかく来年度高校卒業まで医療費一部負担軽減がされたのに、きちんと今の制度が守られなければ意味がない。企画調整局の中にとどまらず、他局にも係ってくる問題だ。実際にあと2年で反映され、市民の不安は払拭されるのか。

    正木担当局長:最終的にはその各所管課の判断となろうかと思が、我々はデジタル庁とも密にやり取りをしているので、自治体のその独自の施策を行う上で、仕様書での課題があれば、国にも伝えて、独自施策は引き続き行えるようにしたい。

    山本議員:政令指定都市市長会では、このガバメントクラウドに関して意見を言っている記述を見たが、それは私が問題提起をしたような市独自の上乗せ、横出しがどこまで守られるのかという意見ではなかったと思うが。

    辻局長:今御指摘のあったような点についての要望はしていない。

    山本議員:カスタマイズができないからこのガバメントクラウドには接続しないと判断しているところもある。必要な意見も言わず、国が決めたからそれに従って進めるという方針に疑問を感じる。

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