議会報告

  • 2023年03月07日
    予算・決算

    予算特別委員会から③

    2月28日 「こども医療費無料化 把握していない事実持ち出し「無定見なばらまき」と無料化進めない姿勢改めよ」

    こども家庭局審査で味口としゆき議員

    質疑項目

    1.こどもの医療費完全無料化について

    2.事務事業の見直しについて

    3.こども家庭センターの体制について

    4.学童保育の改善について

     

     この日の審査では、こどもの医療費を所得制限なしに高校3年生まで無料にすることを求める請願が提出されました。それが子育て世帯の願いです。しかし、その請願に対し局長は、「本来は国でやるべきこと」「引き続き国に求める」という後ろ向きな姿勢です。味口議員は、完全無料化すれば過剰受診が増え病院が子どもたちであふれかえると本会議で市長が答弁したこと、さらに庁内のウエブ掲示板で、こども医療費の無料化を「無定見なばらまき」と表現したことを厳しく追及し、完全無料化に進むべきと質しました。

    答弁ダイジェスト

    味口議員:無料化にした名古屋市に聞いたら、確かに拡充された部分は増えたが過剰受診が増えたというデータはなかった。市長は「過剰受診によって本来受けられるべき機会が失われる」と答弁しているが、そのような事実はあるのか。

    森川副局長:把握していない。

    味口議員:把握していない事実を本会議で市長が答弁することはおかしい。経済的にも時間的にもゆとりのない子育て世代は、受診行為そのものが負担で、安易な受診はない。「ゼロになったから病院に行こう」という発想には普通はならない。また、市長が無償化を「無定見なばらまき」と表現しているが、こども家庭局も同じ考えか。

    森川副局長:入院のように多額に継続的にお金がかかる部分や、子どもが自分の言葉で病状を伝えられない部分については無料化の拡充は適切なものだ。

    味口議員:適切なものと認めるなら、これは無定見なばらまきとは言えない。

    中山局長:我々は医療費の拡充について決してばらまきと考えていない。

    味口議員:今回の拡充は喜ばれることだ。一歩前進するかどうかの話をしている時に「無定見なばらまき」と言うことは本当に論外だ。群馬県では無料化の効能について、早期の受診による重症化の予防に役立っていて、医療費の抑制にもつながると考えているそうだ。神戸市も空想で語らず決意すべきだ。

    中山局長:やはり持続可能な制度であるということが重要だ。国に対してもしっかりと要望をしたい。

    味口議員:無料化は早期発見・早期治療が非常に大事だ。持続可能性を考えても合理的な施策であり、完全無料化にさらに進むべきだ。


    2月28日 「市営住宅入居希望者の願いに応え、全員が入居できるよう戸数の確保を」

    建築住宅局審査で今井まさこ議員

    質疑項目

    1.市営住宅(全区)の空き住戸の募集状況について

    2.新多聞住宅の募集について

    3.市営住宅募集における抽選状況(倍率、ポイント制など)について

    4.空き家の解消(初動対応事務の外部委託など)について

    5.空き家所有者へのアプローチについて

    6.市営住宅(長田区)の空き住戸の募集状況について―森本真議員

     

     コロナや物価高騰の中で、民間のアパートやマンションでは家賃が高くてとても暮らしていけないという方が増えています。しかし市営住宅の抽選抽結果を見ると、2020年の倍率は14倍、2021年では14.9倍、現在2022年途中で20倍となっています。今井議員は「市民の暮らしや情勢に合わせて募集件数を増やすべきだ」と質しました。また、ポイント方式(一般住宅の入居者を選定する際に、より困窮度の高い世帯が入居しやすくなるように、現在の収入や家賃、住環境などを点数化し、総合点の高い申込者で抽選する方式)についても、全体的に募集戸数が少なく倍率が高いことを指摘し、空き家を修理して活用するなど、全員が入居できるようにすべきと求めました。

    答弁ダイジェスト

    根岸局長:立地の良いところは募集が集中し、100倍を超えるところもある。良好な市営住宅を確保しながらマネジメント計画を進め、募集もしっかりおこなっていきたい。

    今井議員:年収によって家賃が変わる市営住宅は、年金生活になった方々にとって非常に助かるものだ。入居希望者の思いをきちんと受け止めるべき。ポイント方式は、最終的には希望者全員が入居できると理解してもいいのか。

    根岸局長:募集なので全員が入居できるものではないが、貧困度の高い方に当たるようにしている。

    今井議員:抽選結果の数では2022年では6.5倍。ポイント方式でも高すぎる倍率だ。やはり募集する戸数が少なすぎるのではないか。希望者全員が入居できるように空き家を修理して活用するなどの検討が必要だ。


    3月1日 特別支援学校ゆとりをもった教育環境目指すなら売却でなく新たな整備を」

    教育委員会審査で松本のり子議員

    質疑項目

    1.学校給食の無料化について

    2.校則の見直しについて

    3.特別支援学校における設置基準について

     

     障がいのある子どもが通う特別支援学校の教室不足を解消するため、2021年に新たに設置基準が定められました。兵庫区の友生支援学校では、生徒数が増え、図書室が設置できず廊下に本を並べています。また、更衣室はなく廊下の突き当たりにカーテンを張って生徒が着替えをし、さらに作業室が普通教室になり、廊下に机を置いて陶芸などの作業をします。松本議員は「子どもの数が増え設置基準が守られていないのは友生だけではない。そのような状況であるにもかかわらず、住吉の旧友生養護学校を売却しようとしている」と厳しく指摘し、売却はやめて子どもたちがゆとりをもって過ごせるように整備すべきと追及しました。

    答弁ダイジェスト

    山根教育部長:図書室や障害種別のクラスルームの配置は、児童生徒の推移を注視し転用や再整備を検討している。令和7年にピークとされる児童生徒数には対応できると考えているので、新たな特別支援学校の設置はしない。

    松本議員:令和7年からは児童数は減るから、それまでは作業室が廊下であっても我慢すべきということなのか。文科省は「必要な編制並びに施設及び設備を確保できるように努めなさい」という文章を2020年に出している。障がいを持つお子さんたちは、感受性も強く体温調整もできないなど、ゆとりをもって手をかけて見なければいけないと先生方から聞いた。友生の跡地を売却する方向ではなく、新たに整備するという判断が必要だ。


    3月1日 「安全確保できるようケースワーカーの増員を

    福祉局審査で大かわら鈴子議員

    質疑項目

    1.兵庫区湊町火災について

    2.補聴器購入助成について

    3.パートナーシップ制度について

     

     1月22日深夜に兵庫区で発生した集合住宅火災は入居者4名が亡くなり、4名が重体・重症となる痛ましいものでした。入居者の多くは生活保護を受給されている単身の高齢者の方でした。このような集合住宅や簡易宿泊所などでの火災は全国的にもたびたび起こっており、どこでも大きな被害となっています。大かわら議員は「こんな大変な事態が繰り返し起こっているのは、火災の背景にある生活困窮者の受け皿となっている住宅問題が教訓化されていないからではないか」として、単身高齢者の生活や住環境の実態を改めて調査すべきと質しました。また入居者の状況を把握しているケースワーカーの業務量が多く訪問や安全確保ができないと指摘、人員を増やしてケースワーカーの負担軽減をはかるべきと求めました。

     

    答弁ダイジェスト

    大かわら議員:ケースワーカーが命を守るという役割果たすためにも、消防局や建築住宅局など関係部局と情報共有し、指導・改善が必要なところはきちんと求めていく仕組みをつくるべき。

    若杉副局長:情報共有の必要性は認識している。ケースワーカーが把握した情報等は福祉局で把握し情報共有を図って連携深めていきたい。

    大かわら議員:ぜひお願いしたい。ケースワーカーの方から「何とか解決したいと思っているが余裕がない。目の前の仕事で大変な状況になっている」と聞いた。今回のように命に変わる事態になりかねない。人員を増やして負担を減らすべきだ。

     

ページの先頭へ戻る