議会報告

  • 2023年10月16日
    本会議 予算・決算

    経済の停滞と人口減少打開のため、実質賃金の引き上げと社会保障の充実を!

     10月10日に神戸市決算特別委員会がひらかれ、日本共産党神戸市議団の大かわら鈴子議員が総括質疑に登壇しました。

    質疑項目
    1.人口減少対策と市民の実質賃金の引き上げについて
    2.公共施設の削減・縮小計画について


     自民党政治のもとで30年もの長期にわたる経済の停滞と衰退により、暮らしの困難が続いています。そこへ物価高騰が襲いかかり、市民の生活に深刻な打撃となっています。久元市長は定例会見で人口減少問題に触れ、若い世代が結婚や子どもをもつことに踏み切れない実態があるのは「経済的理由」であると認め、実質賃金の引き上げや若い世代の負担軽減に取り組むべきと述べました。
     しかし神戸市は、6000人を超える非正規の市職員を固定化して正規職員増に背を向け、さらに、若い世代が望む大学の学費や学校給食の無償化にも後ろ向きな答弁に始終しました。
     大かわら議員は、神戸経済を活性化させるためにも、政治の責任で賃金の引き上げと待遇改善をすること、社会保障の充実と教育費等の負担軽減など、市民の暮らしを守るための体制強化が必要だと質しました。


    答弁ダイジェスト

     大かわら議員:(実態は)非正規は事実上正規と同じ仕事をしていても正規の給料の半分だ。行財政改革によるコスト削減のために安上がりな労働力に傾き、児童相談所や保育所などの大切なところに非正規を配置しているのが現状だ。非正規を正規として採用すべきだ。
     今西副市長:民間にも正規の職を増やしていただくよう要請しているが、家事・育児・介護と両立しやすい、自分の都合の良い時間に働きたいという割合が増えている。
     大かわら議員:6000人の非正規の市職員のうち75%が女性で、正規で働きたくても家事・育児・介護のために非正規を選ばざるを得ない。これはジェンダー平等の視点でも改革すべき問題だ。民間企業に要請しているなら、まず足元の市役所から変えていくべきだ。職員削減数が多いことを成果だと誇るようなやり方は正し、きちんと正規職員を配置して市民の暮らしが守れるように体制を強化すべきだ。


    人口減少を加速させる地域の公共施設の切り捨てやめよ

     久元市長は、人口減少を抑制する方策として、従来型の大型開発と呼び込み路線を継続・強化しています。同時に人口減少に適応するとして、神戸市独自に小学校区で1歳ごとに調査をおこない、市立の幼稚園、保育所、小・中学校の統廃合など公共施設の廃止や市民サービスを切り捨てようとしています。大かわら議員は「これでは縮小ばかりが強調され、逆に人口減少を加速させてしまう」と指摘し、計画の見直しを求めました。

     

    答弁ダイジェスト

     小原副市長:予想を上回るスピードで少子化が進んでいる。公立の統廃合を含めた需給調整をおこなうこととしている。
     大かわら議員:公立幼稚園も減らし、各区1か所にすると何が起こるか。公立幼稚園の3分の1の子どもが特別な支援を必要としている。1か所に統廃合されたらその子どもたちは遠距離の通園を強いられることになる。
     小原副市長:必要に応じた統廃合を進めていきたい。
     大かわら議員:昨年神戸市がおこなったアンケートでは、神戸市に住み続けたくない理由として一番多かった回答が「子育て・教育環境が良くないから」だ。すぐ近くに幼稚園や保育所、公共施設があり、そういった住みやすい地域をつくることが大事だ。三宮再整備や神戸空港の国際化などの大型開発ばかりに市税を投入し、一方で公共料金などの市民負担が増えている。若い人たちにとって住みやすい地域をつくる取り組みこそ不退転の決意で臨むべきだ。

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