議会報告

  • 2023年10月31日
    本会議

    安心して学童保育を利用できるよう、新たに児童館の建設を

     10月24日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団を代表して森田たき子議員が一般質問に登壇しました。

    質疑項目
    1.学童保育の過密解消について
    2.農業振興の強化について
    3.西区で検出された基準値を超える有機フッ素化合物(PFAS)対策について

     神戸市内の学童保育は、市のガイドライン基準を超えた児童館が25施設にもおよび、過密状態が深刻になっています。西区の井吹東小学校では総児童数が1000人超えのマンモス化が続き、学童保育はガイドライン基準をはるかに超え、学年別でプレハブ校舎と児童館と地域福祉センターを利用しています。指導員は児童を無事に帰すのみで余裕がありません。また、長坂小学校では、学童保育に2教室と多目的室も使い、のびのびひろばに2教室を使っているため、特別支援学級は教室が足りず、物置を転用しなければ教室を確保できない深刻な状態になっています。森田議員は、子どもたちが安心して学童保育を利用できるように、新たに児童館を建設するよう求めました。

     

    答弁ダイジェスト

     小原副市長:学校施設の活用をより一層促進するとともに、民間学童での受入れ拡大なども含めて、学童保育の実施場所の確保に取り組んでいきたい。
     森田議員:伊吹東小学校の2・3年生が利用している定員40名の児童館には134人の児童がおり、お弁当やおやつの時間には部屋を交代しながら食べ、体調が悪くなった児童は混雑した部屋の隅で休ませている。毎日トラブルが絶えないと聞いている。改善が必要ではないか。
     小原副市長:児童館が手狭になったら周辺の地域福祉センターや集会所等を活用し、ほぼ毎日運動場も利用している。
     森田議員:長坂小学校では、長坂幼稚園の跡を改修して利用しているが、裏側の斜面は土砂災害警戒区域に指定されており、指導員からは改善を求める声も聞いている。この問題にはどのように対応するのか。
     小原副市長:安全管理マニュアルにもとづき、避難情報が出た場合には速やかに避難先である校舎内に引率する等の対応を周知している。
     森田議員:児童館を新たに建設するための敷地は十分にある。厳しい社会状況を反映して就労家庭は増え、学童保育の利用が増え続けています。西区以外にも、人数が多くなって困っているところについては、「子育てしやすいまち」と市長が言うのであれば、改めていく必要がある。


    農業を安心して続けられるよう支援強化し、食料自給率の向上を

     日本農業の危機が急速にすすみ、農業者は減少し、日本の食料自給率はカロリーベースで38%と、異常な水準まで低下し、神戸市の農業も危機的な状況になっています。森田議員は先の委員会でも、23年間神戸市が独自で実施してきた価格保障と所得補償をする「神戸市野菜栽培契約事業」の復活を求めましたが、局長は「役割を果たした」と後ろ向きな答弁に終始しました。森田議員は、厳しさが続く今こそ、市が独自支援として価格保障と所得補償をおこない、神戸市の農業を強化すべきと質しました。

    答弁ダイジェスト

     久元市長:国と県で収入減少と自然災害による損害を補填する事業が継続されており、市独自で所得補償、価格保障を実施する必要はない。農業委員会の皆さんと意見交換をしたが、価格保障をしてほしいという意見はなかった。市では後継者や農村地域への移住を推進することが重要だ。
     森田議員:農家の皆さんからは「神戸市は事業が先にありきで生産者の意見を聞かない」「機械購入の補助

    金も法人化の方向で、個人農家を潰していくのか」「高収入の儲かるようなところにしか新規就農者の人たちも行かない」と厳しい声をどのように受け止めているのか。
     今西副市長:農家の方々の意見を聞いて事業を推進している。
     森田議員:新規就農者の人たちが、農業を始める時の支援の要件が非常に厳しい。生産者の皆さんと丁寧に意見交換し、市独自で支援をすべきだ。


    有機フッ素化合物PFAS問題
    市民の命守るため、発生源の特定・規制と健康調査早急に!

     神戸市は、2020年から毎年4回、明石川と伊川の8か所で化学物質PFAS(ピーファス)のうちPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)を測定しています。PFASは体内に残留する重大な疾患として、幼児や胎児の成長低下、腎臓がんのリスクの増加など国際的な知見が出て、日本でも製造や輸入が禁止となっています。日本では環境省が暫定目標値を定めていますが、西区の中津橋や藤原橋など多くの場所で基準値を超える数値が出ています。森田議員は、発生源を特定し、規制するよう強く求めました。

     

    答弁ダイジェスト

     今西副市長:どの程度の量が体に入ると影響がでるのかなど確定的な知見がなく、基準を定めるのは困難だ。国内で健康被害が発生した事例はないが測定地点を増やす。
     森田議員:明石川の上流には産廃施設もあり、近隣の皆さんは大変心配している。なぜ原因を追究しないのか。
     今西副市長:排出元の可能性が高いと推測される事業者がわかれば、自主的な取り組みを促すが、現時点では排出基準がなく立ち入り調査や強制力を伴う指導はできない。
     森田議員:地域住民の皆さんの心配は健康への影響だ。住民の皆さんの健康影響調査もおこなうべきだ。
     今西副市長:国で国際的な知見を集めている段階なので、その状況を見守る。市で健康被害の調査をする予定はない。
     森田議員:人体に残留していく危険な物質であることは明確だ。市民の命を守るために、発生源を早くつきとめ防止すべきだ。

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