議会報告
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2月22日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団の森本真議員が代表質疑をおこないました。都心・三宮再整備や神戸空港の国際化などに前年を大きく上回る予算を投入し、大企業優遇の施策を展開する一方で、「人口減少」を理由に市民サービスを切り捨て、市民負担を大幅に増やす水道・バス料金の値上げなど、物価高で苦しむ市民生活を顧みない神戸市の予算案について質しました。
質疑項目
1.これまでの市民負担増・大型開発優先の施策の転換について
2.阪神・淡路大震災30年~市民の生命と財産を守るための体制強化について
3.有機フッ素化合物・PFAS問題について
予算案では、神戸空港国際化に185億円、都心・三宮再整備に209億円、ウォーターフロント開発に47億円、大阪湾岸道路延伸に40億円など、大型開発に昨年度に増して、莫大な予算が計上されています。久元市長は「震災は終わった」と神戸空港の国際化や三宮再整備などにこれまでにない大型開発を進めていますが、市民の暮らしも経済もよくなっていません。森本議員は、「人口減」を加速させている大型開発をやめ、市民の福祉増進のための予算に転換すべきと求めました。答弁ダイジェスト
森本議員:三宮再整備では、雲井通(旧中央区役所跡地)もJR(三ノ宮駅新ビル)も(市役所)2号館もラグジュアリー(豪華)なホテルやオフィスが入る同じような3つの超高層ビルが建つ。本当に神戸市民に必要なのか。
今西副市長:それぞれの立地条件や環境によって内容は変わってくる。他都市や国外からも来ていただく方々をもてなし楽しんでいただくために整備している。民間がリスクを負っても需要がある。
森本議員:再開発事業には総事業費の半分以上が国県市の補助金で補填される。これまでにない容積率で大儲けできる。これが大企業優遇の仕組みだ。
久元市長:公益性の高い部分に補助金が出ることは当然だ。
森本議員:都心三宮もウォーターフロントも神戸空港の国際化も、訪日外国人のための国の方針に沿った従来型の発想だ。その開発自身が市民の思いに応えるものではない。今こそ大型開発を抑制し、市民の命を守り、健康で文化的な生活を支える基盤整備に努めるべきだ。
職員削減続ければ、市民の命は守れない
元旦の能登半島地震は、29年前の阪神・淡路大震災を思い起こす地震となりました。避難所等に避難した被災者は、水もない、食料もない、支援もないなかで過酷を極めています。市長は「震災を経験した神戸として、被災地に寄りそった支援をおこなう」としていますが、能登半島地震では、市町村合併等によって職員数が減らされ、対応する職員がいないことが大きな問題となっています。神戸市では、阪神・淡路大震災以降の29年間で全自治体平均(15%)の2倍以上(38%)にのぼる8200名もの職員が削減されています。森本議員は、市民の生命、財産を守ることができるよう、体制強化を求めました。
答弁ダイジェスト
小原副市長:災害発生直後の初動体制は所管の区の職員が対応する。区の職員だけで対応できない時は本庁部局のカウンターパート(応援職員)で対応する。
森本議員:その体制で本当に大丈夫なのか。技術職も大変減っている。8200人はすごい数だ。これだけの職員を削減してきたことに市長は反省がないのか。
久元市長:なぜ反省しなければいけないのか。職員を削減して大きな支障が出たかのように言うが、コロナの際には他の自治体に遜色ない対応ができた。
森本議員:コロナの時には保健師を削減してきた影響を受け、ようやく増員した。マンパワーが足りないことは、能登半島をみれば十分わかる。市民の命と財産を守れるように必要な人員をしっかり確保すべきだ。