議会報告
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9月24日に神戸市会本会議がひらかれました。
岸田政権は、「裏金」事件を契機に国民の怒りが広がり、退陣へと追い込まれました。これだけ深刻な行き詰まりを見せる国に追随しているのが久元市政です。神戸市の人口が150万人を下回ったにもかかわらず、久元市長はこれまでの政策を見直すことなく、三宮巨大開発や神戸空港国際化におしみなく予算をつぎ込む一方で、水道料金・バス運賃の値上げ、王子公園プール廃止、公立幼稚園を統廃合しようとしています。これでは人口減少を「抑制」するどころか「加速」させます。朝倉えつ子議員は、市民が安心して住み続けられる神戸の街の実現を求めて代表質疑をおこないました。質疑項目
1.都心・駅前再開発について
2.済生会兵庫県病院の再編統合について
3.学校給食の無償化について神戸市では、郊外地域で空地・空家が増え、スーパーの撤退や市バスや民間バス路線の減便・廃止などが相次いでいます。高齢化も進み、交通難民・買い物難民が生まれています。久元市長は「数十年後廃虚化する可能性がある高層タワーマンションは持続可能ではない」ことを理由に都心部のタワーマンションの建設を規制しています。朝倉議員は、タワマン規制だけでなく、オールドタウン化に直面している郊外地域の対策を強めるべきと質しました。
答弁ダイジェスト
久元市長:人口定着を図るため、移動販売などの支援をおこなってきた。
朝倉議員:北区など郊外には、市が開発を進めた大規模団地がある。5階建てでエレベーターもなく高齢者などは住みにくく、空き室も目立つ。今暮らしている方が、安心して住み続けられるための施策が必要ではないか。
今西副市長:西神中央や名谷では駅前リノベーションを進めている。(郊外)団地の戸建てから駅前に移ろうという傾向もみられるので、売却の支援もおこなっている。
朝倉議員:今の郊外団地が抱える問題に対応する方針をきちんと持つべきだ。
今西副市長:直ちにできるものばかりではない。計画的におこなっていく。
朝倉議員:北区では、スーパーが撤退しても、市は「事業者の判断」と冷たい対応だ。駅まで行く交通も減便廃止され、駅まで行くことさえままならない住民もいる。都心が栄えて駅前がきれいになっても解消されない。
今西副市長:今住んでいる方が、その場でずっと(住み続ける)という施策では対応できない。
朝倉議員:市長が「郊外からの人口流出をとめる」と言うのなら、都心や駅前重点でなく、どこに住んでいても、安心して住み続けられるまちづくりこそ必要だ。
済生会兵庫県病院
市民の声聞いて「今の場所」で存続できるよう支援を国は自治体に病床削減を迫り、急性期病床を減らし続けています。神戸市でも済生会兵庫県病院と三田市民病院を再編統合し、病床数を100床から150床減らす計画を地域住民不在のまま進めています。朝倉議員は、自身がおこなった病院利用者アンケート調査での声を紹介し、切実な声にこたえて統合移転は中止すべきと質しました。
答弁ダイジェスト
朝倉議員:アンケートでは、「統合移転は困る」という答えは78%、4割の方は「移転したら通えなくなる」と回答した。さらに、この計画を知らないという方までいた。もともと病院を誘致するために、市が藤原台の土地を確保し、済生会病院を中央区から北区へ誘致する際にも、市が相当な支援をしたとされている。今の藤原台の場所にしたのは神戸市ではないのか。
小原副市長:戦後郊外の住宅開発が進み、人口の移動に合わせて藤原台に移転した。現在は人口減少局面だ。存続が必要というだけでは事業は成り立たない。
朝倉議員:人口減少だが、高齢化で医療ニーズは増えている。コロナの経験から、病床削減・病院統廃合を進める政府への批判が現場からも大きくなり、厚労省でさえ「病床削減や統合ありきではない」やり方をと言わざるを得なくなった。神戸市がサポートすれば、統合する必要は無い。医師不足は全国的な問題だ。統合しても医師が増える確証もない。神戸市民にパブコメや説明会をきちんとおこなうべきだ。
小原副市長:三田市から統合計画が公表された後に住民説明会をおこなう予定だ。
朝倉議員:周知だけでなく、市民の声を受け止めるべきだ。「市民が声をあげても市政に届かない」「結局統合移転か」と市民から憤りや失望の声も寄せられている。済生会病院と三田市民病院をきちんと残し充実させることが、神戸市、三田市それぞれの市民の強い願いであり、行政の役割だ。済生会病院を今の場所で残すために支援を尽くし、統合移転の計画は撤回すべきだ。