議会報告

  • 2024年12月10日
    本会議

    PFAS汚染―市民の不安の声に応え、健康調査と情報公開を

     12月6日に神戸市会本会議がひらかれ、日本共産党神戸市会議員団の森田たき子議員が久元喜造市長に一般質問をおこないました。

    質疑項目
    1.明石川等の有機フッ素化合物(PFAS)汚染対策について
    2.農業振興施策の強化について
    3.西神中央駅前の再整備について
    4.平野小学校の通学手段の確保について

     神戸市は、2020年からPFASの排出源を特定するために、明石川流域で測定をしてきましたが、いまだに発生源は特定できていません。毎回の測定で、暫定目標値50ng/Lを超える高い数値を検出し続け、市民の皆さんからは改善を求める署名や請願が相次いでいます。これまで国に対して規制基準の設置や、神戸市には汚染対策などを求めてきましたが、「基準がない」「知見がない」と消極的な答弁が繰り返されてきました。そうした中で、岡山県吉備中央町では、住民の要求に応えるとともに、住民の命を守る取り組みとして、公費負担で血液検査をおこなうことになりました。森田議員は、神戸市も希望する市民に健康影響調査を実施するなど、市長自らが市民の命を守る取り組みをおこなうべきと求めました。

    答弁ダイジェスト
     小原副市長:血液検査のみで健康影響を把握することは困難だ。市で健康調査をする考えはない。
     森田議員:国が排出源の調査や人体などへの影響に消極的な中で、住民の皆さんと研究者の方々が協力して、全国各地で汚染の状況や血中濃度を調査して公表している。市もこれまでに明石川周辺の884事業者に対して調査を依頼し報告も受け、必要な対策も依頼をしているなら公表すべきではないか。
     今西副市長:法令で定める基準も行政指導の権限もないので、公表する予定はない。市独自でおこなえる可能な限りの取り組みをしている。
     森田議員:市が濃度の低減を図る取り組みをしても、市民の皆さんは情報を知らない。また、河川だけでなく土壌汚染を心配する農家の皆さんの声も聞く。土壌調査もして情報を公開すべきだ。
     今西副市長:国の検討過程では、影響があるというものもあれば、ないという調査結果もあり、本当にわからない。市の取り組みは対外的に発表したい。
     森田議員:PFAS汚染への市民の皆さんの不安に応えるために、危機感を持ってこの問題に取り組むべきだ。


    農業従事者の皆さんが安心して生産できるよう、市独自で支援の拡充を

     今年、米不足が大きな問題になりました。神戸市でもスーパーから米が消え、米を買えない人が続出しました。この原因は、米の生産や安定供給への責任を投げ捨て、農家に生産削減を押しつけてきた歴代政府の農政にあります。米の価格が高騰し、来年も同じ状態になるのではと市民の皆さんは心配をされています。森田議員は、農家が安心して米作りができるように地産地消を奨励し、米の価格保障と生産者の所得補償をおこなうよう求めました。

    答弁ダイジェスト
     久元市長:市独自で価格保障と所得補償をおこなうことは適当ではない。
     森田議員:今は米価が多少回復しているが、肥料代などの生産費が高騰し、安心して生産を続けられる状況ではない。市内の農家人口は10年足らずで3993人も減っている。神戸市は新規就農者支援に力を入れていると言うが増えていない。国の新規就農者への就農資金支援は、就農準備資金も経営開始資金も対象が50歳未満の認定新規就農者だ。実態に合っていない。市が対象を広げて支援すべきだ。
     今西副市長:これは次世代を担う農業者の育成と確保を目的とした国の支援だ。年齢要件は44歳以下だったが5歳引き上げられた。
     森田議員:「制度があってまさに利用者なし」では就農者の定着は難しい。国の制度が実態に合っていないなら市独自で上乗せと延長をして農業従事者を支えることが急務だ。
     久元市長:市が独自に要件の緩和をすることはできないが、市が展開している政策は、今日の指摘も含めて若い生産者の意見も聞きながら改善していきたい。また、農業振興政策だけではなく、農村里山地域の活性化政策も組み合わせながら効果が出るような展開を図っていきたい。
     森田議員:困難な中でも若い人の就農希望が市内で広がっている。これから始める人や始めたばかりの人は、機械化させることをまだ望んでいない。担い手の定着に向けて、就農者が希望する市の独自制度をつくるべきだ。

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