議会報告
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2月18日に神戸市会本会議がひらかれました。日本共産党神戸市会議員団の森本真議員が議案質疑に登壇し、今議会に提案された議案のうち、下記の項目に対して質疑しました。
質疑項目
1.補正予算編成の考え方について
2.西市民病院の再整備について
3.芦屋市の可燃ゴミ処理委託について
神戸市は、この度総額630億6000万円の補正予算を提案しましたが、物価高騰等の影響を受ける市民・市内事業者の支援を着実にすすめるとうたいながら、市民への支援はわずか1億3800万円だけです。森本議員は、市内事業者への支援も昨年度からの継続的な内容が多く、本来の補正予算のあり方から考えても、物価高騰で苦しんでいる多くの市民・事業者に対して、内容・金額的にも不十分だと指摘。物価高騰で苦しむ市民や市内事業者の皆さんへの支援策を市独自で講じるべきと求めました。答弁ダイジェスト
森本議員:昨年からの水道料金と市バス料金の値上げは、神戸市自身が物価高騰をつくり上げているものだ。国の(重点支援地方)交付金は市民を助けるものであればどんなメニューでもよいとされている。水道料金の値下げなど市民が喜ぶ政策を考えるべきではないか。
今西副市長:水道料金を減免した場合、1か月で約30億円の財源が必要になり、減免額は1か月で約2000円となる。政策の効果としてはあまり大きくない。
森本議員:効果があるかないかではない。神戸市が市民や市内事業者の皆さんを助けるために頑張っているということを明らかにすべきだ。
久元市長:費用対効果としては大変薄いので、おこなうつもりはない。
森本議員:市民に大きな負担を背負わせたのは神戸市だ。岩手県では中小企業の賃上げに交付金が使われた。市長も賃上げが必要と言っているなら神戸市でも考えてはどうか。
今西副市長:市内中小企業には設備に対する助成などをおこなっている。
森本議員:物価高騰に対しての賃上げは、実質の経済を立て直すためにも必要だ。今回の補正予算の中でも不要不急なものも多くある。市独自で物価高騰で苦しむ市民や市内事業者の皆さんへの支援策をつくるべきだ。
西市民病院移転新築計画 市民の命守るために先延ばしにせず一日でも早く開設を
神戸市は、物価高騰・資材費高騰などに対応するとして、大阪湾岸道路の延伸、バスターミナルビル(雲井通5丁目市街地再開発事業)、市庁舎2号館再整備事業には、事業費を大幅に増やしています。一方で、西市民病院は、施設の老朽化や狭あい化による今後の医療需要への対応と、新興感染症や災害などの機能確保に課題があるとして、JR新長田駅前に移転・新築する計画をすすめていましたが、事業費340億円がおよそ2倍になることと、2024年度の公告で応札事業者が見込めないことを理由に、2年半も入札と着工を延期するとしています。森本議員は、市民の命を守る市民病院の待ったなしの課題を2年半も先延ばしにするべきではないと質し、市民の医療に直結する西市民病院の移転・改築を遅滞なく開設するよう求めました。
答弁ダイジェスト
森本議員:7社の事業者に状況を聞いたとしているが、病院建設をしている企業は20社ほどある。
小原副市長:西市民病院の300床を超える規模の建設実績を有するのがこの7社だ。
森本議員:事業費が今で倍の計算だ。ベッド当たりの面積や職員の休憩所を減らしたりと、働く環境や患者さんの利便性を削除している。2年半後の入札でこの金額は抑えられるのか。
小原副市長:開院を延期したことで、さらに事業費が高騰する可能性は否定できない。事業全体を改めて精査し約83億円の減額を見込んだ。
森本議員:応札がないという想定での延期だが、もう一度入札したらよいのではないか。
久元市長:資材の高騰は神戸市だけではない。事業を見直さないといけないことは各地で起きている。応札の見込みがないのに入札することは意味が無いとは言わないが、職員に大きな負担を課すことになる。私は無理強いしたくない。
森本議員:職員の皆さんはこれまで応札に向けて準備してきた。老朽化・狭あい化で今後の医療需要に対して今のままではだめだという状況がわかってからもう随分経っている。早くすすめるべきだ。
ゴミ処理の広域化 ゴミの減量化最優先し、焼却中心主義から脱却を
神戸市は、ゴミ処理の広域化として、芦屋市の可燃ゴミを神戸市で焼却する計画をすすめています。当然神戸市で処理する可燃ゴミの総量や処理施設の稼働頻度は増加します。神戸市は地球環境を守るためにゴミの減量や再資源化をすすめ、CO2の削減や今後の焼却施設や運営費など大幅な削減を目標に取り組んでいます。森本議員は、焼却能力があるからとゴミ焼却中心主義を推しすすめることは、減量化と全く逆の取り組みだと質しました。
答弁ダイジェスト
今西副市長:環境省は、施設整備費や維持管理費などを削減しつつ、売電による収入確保など、財政的な効果が期待できるとしている。芦屋市の可燃ゴミの受け入れに必要な維持管理コストは、受け入れ量に応じて委託料として負担を求める。また、本市の焼却施設の建て替えや、大規模改修をおこなう際には、委託料とは別に芦屋市の焼却量に応じて負担金を求めるので、本市としてコストが増えるものではない。
森本議員:今大事なのはスケールメリットより、3R(リデュース・リユース・リサイクル)だ。ある環境大臣は、「燃やすことが前提ではなく、リサイクルと分別回収をやる方がCO2削減効果が3倍ある。最終的に3Rの順番でおこなった上でなお難しい場合が熱回収だ」と答弁している。今回の計画はこれに当てはまらない。
今西副市長:3Rが大事だという認識は同じだ。ゴミを減量化して最後に残ったものは焼却し、その熱を電力に変えて有効に活用する。
森本議員:芦屋市は包装容器プラスチックの分別をしていない。芦屋のゴミは芦屋で考えるべきだ。
今西副市長:芦屋市でもプラスチックの分別回収を実施する方針はもう既に決定している。
森本議員:国では2020年度の1人1日当たりの平均排出ゴミの量を2030年に16%削減するか580g以下にしないと、クリーンセンターの建設や運営などの交付金を減らすとしている。神戸市は3年間で20gしか減っていない。削減が達成できなければ今後の焼却設備をどうするのかという問題が出てくるのではないか。
今西副市長:芦屋市と神戸市の1人1日当たりのゴミの量はほぼ同じだ。国からの施設整備の補助金に制限がかかるようなことにならないようにゴミの減量化に積極的に取り組みたい。
森本議員:元々大きな焼却炉をつくりすぎたことが大きな問題だ。自治体と住民の皆さんが協力して、ゴミの減量資源化をすすめれば、焼却炉の建設や運営コストなどを大幅に削減することができる。そのお金を市民の福祉や教育、文化など住民の生活向上のために使うべきだ。