議会報告

  • 2025年09月09日
    本会議

    阪高のために歴史的な京橋船溜まりの埋め立てやめよ

     9月2日に神戸市会本会議がひらかれました。日本共産党神戸市会議員団の松本のり子議員が議案質疑に登壇し、波止場町・新港町の船溜まりを埋め立てる議案に対して質疑しました。

    質疑項目
    1.京橋船溜まりの埋め立てについて

     本議案は波止場町1番地の京橋船溜まりを約50億円かけて3.3haを埋め立てるものです。2011年の「港都 神戸」グランドデザイン策定当初は、京橋の船溜まりを埋め立てる計画はありませんでしたが、阪神高速道路公団株式会社(以下「阪高」)が京橋付近の橋脚の大規模修繕を決め、2022年8月に、神戸市港湾局と建設局と阪高の3者で確認書を結びました。確認書では、費用負担など詳しいことが示されないまま、「京橋船溜まりエリア改良」事業を連携して進める事が確認されました。その後11月に船溜まりは埋め立てることを前提にすることが阪高と神戸市とで確認され、12月に神戸港中期計画の中で、「船溜まり活用」から「埋め立て」へと変わりました。松本議員は、50億円もの市費を投じる埋め立て計画は、阪高への橋脚整備の便宜をはかることが第一で、京橋地区をウォーターフロントのエントランスにするという計画は二の次であることが、この経過から見ても明らかだと指摘し、これまで神戸港が発展してきた歴史ある船溜まりを埋め立てる計画は見直すべきと質しました。

    答弁ダイジェスト
    松本議員:2回に渡って確認書を交わしているが、工事費についてはどのような話し合いがされたのか。
    今西副市長:埋め立て部分は29億円だが、阪高には応分の負担をいただき、さらに埋め立てた土地の売却や賃貸で十分賄える。
    松本議員:2回の確認書に金額が載っていないのは問題があるのではないか。議事録の請求をしたが議事録はないと言われた。議事録もないのに局長はどうやって決裁したのか。
    今西副市長:議事録は存在する。間違いだったので訂正する。
    松本議員:何度も会議を開いていると聞いているが、副市長は会議の度に議事録を見ているのか。
    今西副市長:(確認書を交わした)2通の議事録は確認しているが、それ以外は知らない。
    松本議員:2011年に専門家と議論した際は、船溜まりを残したいという思いがあったのではないか。その思いを踏みにじらないでほしい。
    今西副市長:都市型として唯一櫛形の突堤を残している。新たに海軍操練所も残すことになっている。かねてからの東西の回遊性の課題を解決するために埋め立てる。
    松本議員:神戸港の発展に大きく貢献してきたのは、過酷な労働をしていた水上生活者の人達だ。歴史を忘れず守っていかなければいけないものだ。
    今西副市長:神戸港の歴史は神戸の発展そのものだから大切にしなければいけないが、時代の変化も激しくなり、ウォーターフロントは都市型の魅力的な憩いの場として整備することが望まれている。
    松本議員:かつては中突堤とメリケン波止場の間に艀(はしけ)溜まりがあり、たくさんの船が係留されていたが、全て埋め立ててメリケンパークになってしまった。今度船溜まりまでも埋め立ててしまえばどのように神戸港が発展してきたかがわからない。「神戸は港でもち、港は艀(はしけ)でもつ」と言われてきた。水上生活者の人達が神戸港を支えてきたということを胸に留め、埋め立て計画は見直すべきだ。

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