議会報告
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9月9日に神戸市会本会議がひらかれました。日本共産党神戸市会議員団を代表して朝倉えつ子議員が代表質疑をおこないました。
質疑項目
1.旧優生保護法について
2.核兵器禁止条約の署名批准を国に求めることについて
3.大型開発優先から市民の暮らし最優先にすることについて旧優生保護法(1948~96年)の下で、障がいなどを理由に不妊手術を強制された人たちが国を相手に損害賠償を求めた裁判で、昨年7月3日、最高裁大法廷で「当時の社会状況をいかに勘案したとしても正当とはいえない」と、政府と国会の責任を厳しく指摘し断罪する歴史的な判決が出されました。神戸市は、1996年に条例廃止されるまで「優生保護相談所」を保健所ごとに設置し、優生手術を推進する役割を担っていました。朝倉議員は、最高裁判決をうけて被害者に謝罪し、同時に補償に至っていないすべての被害者への補償と尊厳を回復するために、市として行政区毎に相談窓口を置くなどして、当時の被害状況の調査・検証をおこなうべきと質しました。
答弁ダイジェスト
今西副市長:被害者の方が長年にわたって苦労され、悲しみを抱えてこられたことに深く心を痛めている。市としても今後こうした人権侵害・差別的な取り組みが二度と繰り返されないよう努力していきたい。
朝倉議員:県知事が謝罪した際に、支援する会の皆さんや被害者の方はきちんと総括してほしいと求めた。神戸市でもどれくらいの方が被害を受けたのか検証のために把握し、被害者に会って謝罪すべきではないか。
今西副市長:7月時点で県下では43件の補償金請求があったと聞いているが、神戸市は公表されていない。
朝倉議員:今は県が相談窓口になっているが、国からは県に対して相談窓口の職員一人分の予算しかおりておらず、相談体制が不十分だ。市としても相談窓口を設置し、直接病院や施設に訪問して聞き取りできるような体制の強化が急がれるのではないか。
今西副市長:補償金支給法では相談支援事務は国県が、地方自治体では補償金等の支給手続きの周知に取り組むとされている。
朝倉議員:補償法ができたから解決ということではなく、優生思想と障がい者に対する偏見・差別を根絶することが重要だ。戦後最大の人権侵害である旧優生保護法がなぜつくられ、なぜ兵庫県では「不幸な子どもが生まれない運動」を推進してきたのか。神戸市も推進を担ってきたのだから、市として被害の状況を調査するとともにきちんと検証し、国や県任せでなく全ての被害者を救済するための対応に力をつくすべきだ。
核兵器禁止条約 – 非核「神戸方式」を持つ市として国に署名・批准求めよ
今年は、戦後被爆80年の年です。「核兵器を違法化」し、その活動を禁じた核兵器禁止条約は、いまや世界の73カ国が推進し、94カ国が署名するなど、被爆者を先頭にした、核廃絶を願う圧倒的な国々と市民社会が共同で、核保有国と核兵器にしがみつく国々を包囲しています。核兵器禁止条約を推進し、一刻も早い日本の参加が求められています。そしてその最大の鍵は、「核抑止」論の克服にあります。朝倉議員は、石破首相が「核なき世界と核戦争のない世界は違う」と述べ、「核抑止」の立場であることを指摘し、市長に対して「同じ立場に立つのか」と問いました。さらに、非核「神戸方式」を採択した市として、国に核兵器禁止条約に署名・批准を求めるべきと質しました。
久元市長は、条約の批准は国の専管事項で、国において判断されるべきことであり、「市として国に要請する予定はない」と拒否しました。