議会報告

  • 2019年09月18日
    本会議

    消費税増税に追いうち 年12億円もの下水道料金値上げは中止を

    大かわら議員が議案質疑

     神戸市議会定例市会(9月議会)が、9月18日から始まりました。同日提案された神戸市一般会計補正予算及び関連議案について、日本共産党の大かわら鈴子議員が質疑しました。


    質疑項目
    1.下水道料金の値上げについて
    2.公有水面埋め立てについて
    3.人口減少対策について


     神戸市は、上下水道事業審議会に対し「今後の下水道事業の経営と使用料制度の在り方」について諮問をおこない、この6月に答申が出されました。それを受けて来年4月から、下水道料金の値上げをおこなうとしています。市民にとっては年間12億円の負担増となり、そのうえ10月からの消費税増税で3億6千万円、合計15憶6千万円もの負担を背負うことになります。大かわら議員は、「増税によって暮らしがますます大変になる中で、このような値上げはやめるべきだ」と質しました。

    答弁ダイジェスト
     油井副市長:本市の下水道使用料については、昭和61年度に改定をおこなって以来、消費税の改定をのぞき、現行料金を実施してきたが、人口減少等にともない今後は毎年赤字化していく見込みだ。よって使用料改定をおこなわざるを得ないと考えている。
     大かわら議員: (今議会に提出されている監査委員の)決算審査意見書でも「答申で下水道使用料改定案が示されたが、よりいっそう資産、資源を活用した収入の確保や業務改善…等による効率的な経営も尽くしたうえで、使用料改定を検討されたい」と指摘されている。しかし、経営計画の議論も正式にはおこなわれておらず、これでは値上げの結論ありきではないか。
     油井副市長:厳しい財政状況に対応するために行財政改革に取り組んだ。下水道事業についても経営改善をおこなってきた。また、市民に対しても一定の周知はさせていただいたと考えている。
     大かわら議員:政策提言の遂行も途中、パブリックコメント(市民意見)も集めず、説明会参加者は全市でわずか40名。これでは議論も周知もしたとは言えない。また、移住促進パンフレットで、市長は「上下水道料金が日本一安い」ことを強調している。自らその魅力をなくすような値上げはやめるべきだ。

    売却ありきのずさんな方針は改めよ

     神戸市は中央市場の冷蔵庫棟の移転、市場再整備を計画。敷地が不足するとして25億円もかけて海を埋め立て、新たな土地を造成するとしています。大かわら議員は、西側の広大な土地をイオンに売却しながら今になって土地が足りないからと埋め立てるような計画は、市民理解を得られないものだとして、既存の土地を利用する方法を再度検討するよう求めました。

    答弁ダイジェスト
     大かわら議員:埋め立て前提で議論がされている。図面上では空いている土地があるので、今あるスペースで再検討すべきだ。
     岡口副市長:再検討はできない。埋め立てを前提で議論してきたのではない。現場の職員などの声を聞いて検討してきた中で埋め立てを選択せざるを得ない結果になった。
     大かわら議員:ならばなぜ西側跡地を売却したのか。再整備の土地が足りるかどうかは、当初から当然見通しておくべきこと。それを売却して足りなくなったから埋め立てるなどずさんすぎる。
     岡口副市長:土地が足りなくなったからというわけではない。結論ありきではなく、慎重に段階をふんだ結果だ。
     大かわら議員:西側跡地の売却で廃業に追い込まれた方も少なくない。安易に売却する方針は改めるべきだ。


    明かりの増設よりも市民に寄りそった施策を
     総務省が7月10日に発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査では、神戸市に住む日本人の人口減少が6235人と全国の市区町村で最大となりました。この事態を受けて久元市長は、今回の補正予算で人口減少対策を一層強化する「リノベーション・神戸」第1弾を提案しました。しかし、その予算の大部分が街灯の増設やLED化となっています。大かわら議員は、人口減少を本気で考えるなら、市民に寄りそい、声を聞いてストレートに子育て支援対策を強化すべきと質しました。

    答弁ダイジェスト
     寺﨑副市長:神戸のこれまでの歴史資産を生かしながら、まちの質、くらしの質を高めるリノベーションに着手することで、都市ブランドの向上と、人口誘引に繋げていくもの。その土台は安心安全が確保されることであると考えている。その上で第1弾においては、街中の街灯の5割増、LED化や防犯カメラの増設としている。
     大かわら議員:明かりの増設が人口減少対策になるのか。市長が今一番にやるべきことは、保育所待機ゼロ、子どもの医療費助成を高校生まで拡大するという市長選公約の実現ではないか。本当に困った人の声を聞いたのか。
     寺﨑副市長:様々な声を頂戴している。それに対しても限られた財源の中で様々な政策をすすめ、しっかりと取り組んでいくつもりだ。
     大かわら議員:6年間の久元市政のもとで、ここまで人口減少が加速している。この事態をもっと重く受け止めるべき。人口減少対策を本気ですすめるためにも、市民の思いに寄りそった対策を強化すべきだ。

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