議会報告

  • 2019年11月03日
    本会議

    教員間いじめ・暴行 二度と起こさない決意を

     10月28日に神戸市議会本会議がひらかれ、上程された条例改正案に対して森本真議員が日本共産党神戸市会議員団を代表し質疑しました。

    質疑項目

    1.条例の妥当性・分限処分をする判断基準などについて

     

     東須磨小学校の教員間のいじめ・暴力問題をうけて、児童・保護者の不安や、神戸市の教育行政全体に著しい混乱が生じています。現在、有休休暇中となっている加害教員が学校現場で勤務を継続することは現行法では可能で、そうなるならば、さらなる混乱を生みだすことから、神戸市が上程した条例改正案では、学校教員を含む職員に対し、重大な非違行為で起訴のおそれがあり、職務を続けると公務の円滑な遂行に重大な支障を生む可能性がある場合に、懲戒処分の決定前でも分限休職させることができるようにするというものです。

     森本議員は、条例改正が公職員の身分保障にかかわるものであり、恣意的な乱用は絶対にあってはならないという立場から市長らの見解を求めました。

     

    答弁ダイジェスト

    森本議員:条例改正ではなく、現行法で対応できないのか。

    岡口副市長:東須磨小の事案は、きわめて悪質であり、厳しい社会的批判にさらされ、当該小学校では児童保護者が不安な状態に落ちいり、教育行政全体にも著しい混乱が生じている。今後、加害教員の有給休暇が消化され、当該教員が学校現場に復帰するということは制度上には、今の状況では法的には可能であり、加害職員の勤務が引き続き継続することになれば、さらなる混乱を招く恐れがある事態ある。現行の法律や条例では予定しない事態であり、現行では起訴された場合でしか分限休職処分の適応条文がない。本条例改正によって「重大な非違行為があり、起訴されるおそれがあると。められる職員であって、当該職員が引き続き職務に従事することにより、公務の円滑な遂行に重大な支障が生じるおそれがある場合」という要件追加を提案するに至った。

    森本議員:「重大な非違行為」とはなにか。「起訴のおそれ」というが、誰がどのように認定するのか。

    岡口副市長:「重大な非違行為」は、懲戒処分の指針の指針にある懲戒免職または停職相当となる行為が考えられる。「起訴のおそれ」は、典型的な例としては逮捕拘留された場合又は誰が見てもあきらかに犯罪構成要件に該当する場合が考えられ、東須磨小学校の事案はまさにそうだ。いずれにしても認定は、当該任命権者が事実認定し、分限懲戒審議会を開き、任命権者が適切に判断する。

    森本議員:そうした判断が、慎重の上にも慎重を重ねて行い絶対に濫用させないこと、また分限休職を命じる以外の方法で「公務の円滑な遂行に重大な支障」を回避できるならそれを優先することが求められるがどうか。

    岡口副市長:特に職員の身分保障にかかわる事案であり、恣意的な濫用はあってはならない。そのような観点から、極めて限定的な条文であり。東須磨小学校の事案を想定している。したがって、同様案件以外には、東須磨に匹敵しないものは発動されない。

    森本議員:市長は「今回の事件に匹敵するものでない限り、発動されることはない」と答弁したが、このような事件は二度と起こさないという決意か。

    久元市長:二度とあってはならないことだということで、行政組織の全体を統括する市長の立場として臨み、二度と起こしてはならないという決意だ。

    森本議員:そうであるなら、今回に限っての適応で、今後二度と適応されないという答弁と受け止める。

     

    なお、森本議員は質疑にあたり、以下の見解を表明しました。


     

     東須磨小学校の事件は、教師同士のいじめという断じて許されない言語道断の事件です。

     市長が10月10日の会見で述べたとおり、神戸市としても、我々議会としても、なすべきことは、正確な事実関係を明らかにし、市民のみなさん、社会に対してしっかりと説明責任を果たすことだと考えます。

     さらに、事件後、子ども達や保護者のみなさんから「東須磨小学校を普通に通える学校に戻してほしい」という思いに寄り添い、子ども達や保護者のみなさんの日々の辛苦や困惑を解消するにはどのような取り組みが必要なのか、また、事件後学校に残って仕事を続けている教職員の苦しさに向き合っていくためには、どのような施策が必要なのかを、加害教員への「法的対応」だけでなく、教育に関する学識経験者や心理や福祉の専門家、弁護士、精神科医など総合的に調査・検証作業を行って、再発防止策や学校の再建計画をつくるべきだと考えます。

     そして、被害教員が手紙で述べているように「いつか、みんなの前でまた元気になった姿を必ず見せに行きます。その日を夢見て先生も頑張ります」という思いにどう応えるのかが問われています。

     また、4人と言われている加害教員の厳正な処罰はもちろんですが、委員会質疑を通して、現校長、前校長、前前校長および教育委員会事務局の関与の真相究明と事実に基づく処分も必要だと考えます。

     最後に、この事件を含め、この間、神戸で起きた垂水いじめ自死事案、六甲アイランド高校における自死未遂事件など、重大事態が頻発していることの背景には、神戸市が一貫してすすめてきた学力偏重の競争教育、隠ぺい体質、そして、子どもの人権を尊重しない管理主義教育のあり方が、根本的に問われているということだと考えます。

     

     

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